宇宙探検隊員トッドは、アンドロメダ星雲を航行中に漂流する謎の宇宙船と遭遇。
いまは宇宙に捨てられ無人となっているその宇宙船の中で、航海日誌を発見しました。
そこに書かれていたのは、未知の惑星「スライム・ワールド」の存在です。
「スライム・ワールド」はねばねばする物質であふれた奇怪な惑星。
しかし、ここに貴重なSLIME GEMという宝石があることを知ったトッドは、持ち前の冒険心からいてもたってもいられず、宇宙船を「スライム・ワールド」へ向けて出発させました。
(Lynx日本語版説明書p.2より引用)
スライムワールド(Todd's Adventures in Slime World)は、地面も生物も宝石もスライムでできている惑星「スライム・ワールド」の地下洞窟に突入し、スライムの弱点である「水(Water GunやWater Pool)」を利用して敵のスライム生物を退けながら洞窟を探索するという、サイドビューのアクションゲームです。
日本では、Lynx、メガドライブ(以下MDと表記)、PCエンジン(以下PCEと表記)で発売されました。
1990年、Epyx開発により、AtariからLynx版スライムワールドがアメリカで発売されました。
国内版はAtari Japan Corporationが製造元となり、ムーミンが総発売元となっています。
Lynxの拡大縮小機能を利用したスライム生物の表現が素晴らしく、特にCyclopsの4つの外殻がうねうねと動く様は圧巻です。
(この動きを見たいがために今でもLynx版を所有している人も少なくないと思います。)
また、Lynxの通信機能(ComLynx)を利用して8人までのマルチプレイが可能でした。
ステージの順番やマップ構成などに他機種版と違いが見られます。
(他機種への移植にあたってこれらの要素が変更された、と言うべきかもしれません。)
携帯ゲーム機から据置型ゲーム機への移植として、MD版が発売されます。
厳密には、まずMDの海外機であるSega Genesis版が1991年9月10日にRenovationより発売され、その後1992年4月30日にMD(国内)版がMicro Worldより発売されました。
MD版の特徴としてアイテムのSlime Baitの性能強化が挙げられます。
Lynx版(そして後述のPCE版)では敵を呼び寄せるだけのアイテムが、MD版では「敵を呼び寄せ、さらに触れた敵を破裂させる」効果が付加されて、非常に強力な切り札となっています。
一方で、MD版はComputer Mapの性能があまり良くなく(マップ画面の書き換えにタイムラグが存在)、現在位置を見失いやすいという特徴がありました。
画面を上下に分割した2人同時プレイが可能で、協力プレイ(特に制限時間があるSuspenseステージなど)では同時プレイによる攻略の楽しみがありましたが、対戦プレイ(Combatステージ)では「攻撃パターンが少ない」「対戦相手がどこで何をしているかが分かる」という理由から、先にMega Bombを見つけた方が相手を追い回す(相手はひたすら逃げ回る)という展開になりがちであったと記憶しています。
1992年10月9日、Micro WorldよりPCE版も発売されました。
(エンディング後のスタッフロールによると、制作はアイ・エス・シィです。)
マルチプレイを切り捨て、1人プレイ専用となっています。
SUPER CD-ROM²という媒体を利用したBGMが素晴らしくゲームとマッチしていて、また各ステージクリア後にPCE版オリジナルの女性キャラであるフレシャーのCGが表示され、Arcadeステージクリア後にはエンディングが追加されています。
ステージ順番やマップ構成はMD版と(おそらく)同じですが、一部のアイテム性能(前述のSlime Bait)などLynx版に準拠している部分も見られます。
他機種版と比較して通路部分の背景の模様パターンが確認しやすく、特にLogicステージのラスト直前のような一直線の長い通路において、このゲーム最凶の敵であるHidden Snapperの出現ポイントを最も覚えやすかった記憶があります。
Computer Mapが常時リアルタイム表示であることも含め、最も洞窟の全容を把握しやすいと言えます。
取得アイテムがグラフィック表示されているのも大きなポイントです。
一方で、他機種版と異なりパスワードが存在しないため、一度電源を切るとステージ最初からプレイせざるを得ません。
ゲーム中にポーズをかけることもできないので、緊張感は全機種中最大でした。