君を待ってる
27



 今度こそ、連れ去ってしまおう。誰の手にも渡さないために、誰の手でも傷つけさせないために、自分の手の中に彼の心を閉じ込めてしまおう。
 街の輝きが涙のように線を引いて、後ろへと去っていく。夜になると明るくなるのは、どの都市でも変わらない。光の中に浮かぶ人々の表情も同じだ。光子郎はことさら無表情を装って、混み合う街中を見つめていた。
 長すぎる日本までの時間に何もかも凍てついてしまった。時折、あぶくのように太一を連れて行こうという思いが浮かんで弾ける。その瞬間だけ光子郎は痛みを堪えるために、唇を噛んだ。
 扉の向こうに太一がいたら何も言わず、何も訊かず抱きしめるのだ。
 太一は笑うだろうか。とまどうだろうか。何より、幾つになっても太一を頼る自分を抱き返してくれるだろうか。
 噛みしめた唇が震える。
(太一さん)
 拒まれても嫌がっても連れて行こう。二度と後悔をしないために。
 タクシーがようやく動き出す。伏せていた面を上げると空が明るかった。眩しい地上の光に霞むようにして、静かな白い月が出ていた。


 夜空にはっきりした形で月が見える頃、光子郎は車から降りた。手持ちの日本円で代金は何とか払えた。
 足早に太一の部屋まで向かう。うら寂れたマンションの外観は目に入らなかった。
 古い型のエレベータに乗り込んでボタンを押す。不吉だと伝えられる数字を目にして、何という皮肉だろうと光子郎は顔を歪めた。
 十三階へ到着すると部屋番号を思い出しながら、足を踏み出した。一番奥の部屋が騒ぎが下火になるまで、太一が身をひそめていた場所だった。
 チャイムを押した。願いも込めた気がしたが、十何度と押したチャイムへの応えはなかった。辺りを見回してから、光子郎はどこかとまどう風にドアノブを回した。
 軽い手応えと共にドアが開き、光子郎は暗い室内に身を忍び込ませた。どの部屋も静かで冷たい空気が漂っていた。居間の明かりをつけると、光子郎はソファに腰を下ろした。
 太一が帰って来たら、何と言って迎えようか。鍵をかけないのは不用心だと注意すれば気を悪くするだろう。土産の一つも用意していないのが悔やまれた。
 むなしく楽しい夢想に思考を委ねて、光子郎は一時だけ心と身体を休めた。
 誰もいなかった部屋に自身の気配が満ちた時、光子郎は立ち上がった。再度、室内を探し回り、自分以外、誰もいないのを確認した。
 居間に戻ると突然、目眩を感じた。テーブルに片手をつき、更にもう片手で椅子の背もたれを掴むと、身体を支えた。どこに行っても、どう呼びかけても太一はいないのだ。
 椅子を引いて腰かけようとしたとき、体の下に異物感を感じた。指先で探って、体の下から取り出したそれを見ると、光子郎はまた立ち上がった。
 どんな思考が、そんなことを思いつき、実行するように命じたのか。
 ライターを握りしめて電話を取り上げると、過去の着信と発信の履歴を表示させた。着信履歴は自分と岡の自宅や勤務先、事務所、携帯電話の番号ばかりだった。
 次は発信履歴の一覧を表示させる。
 見慣れた番号の中に、一番新しい日付で見慣れない番号があった。番号元は公共施設らしく電話番号表示と同時に施設名も表示される。
 淡く光る画面に指で触れ、光子郎は壁に拳を打ちつけた。そこを彼らは選んだのだ。だから自分にも分かった。
 唇が引きつるようにびくびくと震え、やがて笑い声が漏れた。ひとしきり枯れた笑いを響かせ、光子郎は目から溢れる涙に気づいた。拭いもせず、光子郎はまた笑った。
 太一は必ず帰ってくる。ここへ、光子郎の元へ。――指先から髪の先まで、体すべてにヤマトへの想いを宿して、永遠に消えないヤマトの面影を心に抱き、光子郎の元へ戻ってくるのだった。
 光子郎は低く長く笑い続けていた。一体、笑う以外に何が出来ただろう? それを教えて欲しかった。



 ゆっくりと始めた。触れ合うことがどんなことなのか学び直すように、お互いの身体がどんなあたたかさを持ち、重なったときにどんな感触を生み出すかを知るため、初めからすべてやり直した。
 最初は指先からだった。向かい合ったときだけでなく、隣り合ったとき、近くにいるときに手を伸ばして、指先に触れた。生まれる温もりにとまどい、やがて笑うことが出来ると、唇が近づいた。
 口づけも指先からだった。ただ触れるだけの、優しさに満ちたそれだ。くすぐったいと太一が笑うと、ヤマトも笑った。手首に落ちた口づけは太一が笑うたびに上へ上がった。額に、瞼に、耳に、ヤマトは口づけた。少年のように頬と耳を染め、唇の下の太一の肌に胸をときめかせた。そんなことが許される時間だった。
 両頬へのあたたかい口づけが終わると、太一はうつむいていた。ヤマトが同じように視線を下げると太一が顔を上げる。ぶつかった鼻をくっつけて見つめあっていると、太一から目を閉じた。
 歓びを瞼に口づけて表し、ヤマトはぎこちなく太一に口づけた。太一の唇も初めてのそれのように、固く強張っていた。
 唇が離れるたびに目を合わせ、また閉じて口づけあった。太一の指がおずおずとヤマトの髪を梳く。ヤマトの手が太一の頬を包む。落ち着かなげにお互いの手を動かし、より深いキスのために両手は胸や肩、腕や後ろ頭に回される。言葉は持たない。
 きっかけは気づきもしないほど些細なことからだった。手に力がわずかに籠もったから。見つめあうのが少しだけ長かったから。唇が激しい熱を孕んでいたから。二人だけの時間に、それは充分な合図だった。
 体を重ねた時刻は、はっきりしていない。太一が少し怯えて、身を引こうとするのをヤマトが力強く抱き寄せた。太一の体を引き寄せたその手は震えていた。同じように震える自分の手を重ね、太一はヤマトの肩に頬を預けた。
 閉じた瞼の向こうに互いの顔が浮かぶ。朝と夕の区別もなく、体と心を探り、何かを掴もうとし、やがて満たされていった。
 時間を数えるのは無意味だった。砂粒のようにゆっくり落ちゆく時間を恐怖と共に、ただ愛おしんだ。


 うつ伏せになった太一の背中は冷えている。右の肩胛骨に指を置き、太一の呼吸に合わせて下ろしていった。毛布に隠された下肢には触れずに、左の肩胛骨に指を戻す。
「くすぐってえ」
 びくんと太一の体が寝返りを打つ。 「悪戯するな」
「してない」
 仰向けになった太一は身を半分起こし、肘をついた。窓の外には木立が見える。風には草の香りが混じっていた。
 ヤマトの指が視界を遮って前髪をかき分ける。手の平の皺を見つめ、太一は息を吐いた。ヤマトの手が熱を計るかのように額に当てられる。
「熱なんてあるか」
「熱いぞ」
「寝てたからだろ」
 ヤマトの手は悪戯を止めない。太一が外を眺めることを、眠ることを邪魔して、そのたびに太一は憎まれ口を叩く。ヤマトは言葉少なに言い返す。
 言葉が途切れれば唇を重ねるしかなかった。ヤマトは毛布を掴み、宙に広げると、太一の横へ体を横たえる。遅れて、毛布が二人の体に覆い被さってきた。
 太一の匂いとぬくみが残るベッドの中で、太一を強く抱く。唇を押し当てると、太一が腕を伸ばした。首に絡んでくると思われた手はヤマトの髪に触れた。
 太一の目が細くなる。頬の周りを囲むヤマトの髪を、人差し指に巻きつけて引っ張った。
「引っ張るな」
「髪はお前の方が長いんだな」
 太一は手触りを楽しむように髪を撫でた。
「手は?」
 太一の手を取り、ヤマトはその指先を唇に挟んだ。太一はくすぐったそうに笑い、指を広げるとヤマトと手の平を合わせた。
「同じくらいかな」
「俺の方が少し長い」
 ヤマトは太一よりも長い自分の指を折って、太一の手を包み込む。
 握り返して、太一は得意げに言った。
「でも俺の方が力は強いぜ」
「そうか?」
 言い切られたのが悔しく、ヤマトは宙で握り合っていた手をベッドに戻した。
 太一は顔を傾け、息苦しげに笑う。太一の上にのしかかるのではなく、横へ体を寝かせ、ヤマトは太一の手を自分の体に回させた。
「結構、肩幅あるな」
 気がついたように太一の手が動き、ヤマトの肩を押さえた。
「俺だって体が基本の仕事だ」
「歌うだけじゃないのか?」
 太一の手が喉に触れる。猫でも撫でるように喉元をくすぐられた。 「機材運んだり、楽器運んだり、ライブだって体力使うし」
「そっか」
 太一の頭がずれて胸の上に落ちた。髪が剥き出しの肌の上を擦る。
「目立つばっかりじゃないんだな」
 吐息も肌を滑る。
「人前には出るけど……」
 太一の声が途切れがちになっている。眠いのかとヤマトは口ごもった。
 沈黙が訪れたので、眠ったのかとヤマトが太一の顔を覗き込もうとすると、太一は笑うように囁いた。
「俺さ、お前の出したアルバム持ってる」
「俺の?」
 太一でも入手できるのなら、インディーズレーベルを専門に扱う小さなレコード会社から出したアルバムのことだろう。そこそこの評判を取った覚えがある。あれも一つの出発点だった。
 太一はヤマトのそんな誇らしい思いを面白そうな声で包んだ。
「そう。変な歌ばっかり入ってるやつ」
「……お前な」
「でも、好きだ」
 太一をきつく抱きすくめ、変な歌呼ばわりの仕返しをしようとしたヤマトは腕を止めた。
「なんでだろ。お前の歌、好きなんだよな」
 太一が笑っているか、泣いているか、顔を見ればすぐに分かるだろう。それはしなかった。ヤマトは太一に手を伸ばし、そっと肩を抱いた。
「――昔より、うまくなっただろ」
 ヤマトは太一に届くように声に笑いを含ませた。
「そりゃあな。だいぶマシになってる」
 太一も笑っていた。目は合わせずに、声だけでお互いが笑っているのを伝えた。
 そうと気づかれないようヤマトは太一を抱く手に力をこめ、そうと知られないように太一は瞼を閉じ、ヤマトの胸に頬寄せた。


 選んだのは、ぎりぎりの位置なのだった。足下の闇に気づかない振りをして、恐怖を笑いで紛らわせている。戻る道筋ははっきりしているから、大丈夫なのだと思いこむ振りもしている。躯を重ねるその間に偽りを挟まなければならなかった。誰のためになのかも、何のためになのかも考えないようにして。
 太一との時間に溺れれば、溺れるほどに、肉体を通じてある思いに苦しめられる。
 自分を導こうとする唇、何気なく置かれた手の位置、太一からの愛撫――己だけでなく、ヤマトも愉しませようとする太一の無意識の仕草。二人しての快楽に果ては見えなかった。
 今は自分が抱くこの躯を今まで何人の男女が通り過ぎていったのだろう。責める言葉は持たない。そんなことが出来るはずもなかった。
 おそらくは自分よりも性を知る太一に、そして太一の向こうにいる顔も知らない人々への嫉妬だ。それを自覚すればするほど、太一の肉体が遠く感じられる。
 太一の手が両胸に置かれている。絶え間なく伝わる繋がりからの快感に、どちらのものともしれない喘ぎとため息が漏れた。太一の腰を掴み、もっと自分に近づける。ぬるりとした感触と共にいっそう深く、躯の一部が太一の内に取り込まれていく。太一の額からこぼれる汗は冷えて、ヤマトの躯へ落ちていった。
 足を開き、腰を動かす太一はヤマトを見ない。寄せられた眉間のしわが、快楽の深さでなく苦悩のそれを宿しているようだった。
 追い詰めても、追い詰めても、太一の瞳には醒めたものが覗く。それは見ている時間の違いなのだと気づいたとき、ずるさを盾にするしかなかった。こんなときなら喘ぎに混じらせ耳に届かず、答えないことも可能なのだから。
 身勝手だとも知り、己のずるさに情欲も消えそうになる。答えを知ったから、どうかなるわけでもない。それなのに訊ねようとしていた。言葉にしがみつきたいと思った。
「太一、俺を、あ――」
 ヤマトは言葉を言い終えないまま、息を呑んだ。肉をえぐるくらいにきつく爪をたてられた。胸に鋭い痛みが走る。
 血に気づいた太一がはっと手を引く。右手の指に血が付いてるのに気づき、太一は青ざめた。
「ごめ……」
 三つの傷に伸ばされた手を取り、ヤマトは身を起こした。
「いいんだ」
 何も言わせないまま、太一を揺さぶった。たちまちのうちに戻ってくる快楽に太一が抵抗するように声を上げる。太一の引きつる喉に唇を這わせ、下から突き上げた。
 太一が躯を仰け反らせた。開かれた唇から震える舌がのぞく。汗が、どちらの躯の上にも落ち、混じり合って流れた。傷口にそれが染みる。目と唇にも流れ込んでくる。痛みと辛さを味わい、ヤマトは目を閉じた。
 太一にはこの日々の先が見えているのだった。傷の痛みは一週間が終わっても、自分を絡めとろうするヤマトへの太一からの警告だ。
 波立ち、欲情する心のままに、激しく太一を責め立てる。太一の上半身が揺れた。ヤマトの肩を掴む太一の手から力が抜けた。
 抗うようにヤマトから身を引いていた太一がしがみついてくる。荒い呼吸と悩ましい声しか聞こえない。太一を浮かせ、また貫く。
「――んんっ」
 半ば開いた太一の唇から、快感以外に何も感じられない声が漏れた。張りつめた筋肉の震えが汗をこぼさせ、全身を濡らした。
「ヤマト……もっと」
 もつれた言葉を呟く太一に口づける。舌を絡め合い、太一と目を合わせた。瞳に溜まる涙は、ヤマトが躯を揺すり、太一が腰を動かすたびにこぼれていく。
 迫ってきた流れを受け止めた瞬間、後ろ頭と瞼で幾つもの光が明滅する。凄まじい勢いで背筋を這い上がってきた快楽に喉に詰まった息と声をヤマトが出すと、太一の躯も引きつった。
「あっ……!」
 引き裂かれるような声を上げ、太一がひときわ大きく、身を震わせた。腹部に熱いものがかかる。
 荒い呼吸が収まっても、絶頂が残した痺れが体から消えない。いまだ伝わる余韻に太一はヤマトを見つめるばかりだ。虚ろに揺れる瞳がまばたきを繰り返す。
 飲み込まれそうだとヤマトは、まだ覚醒しない体で思った。それともすでに太一に冒されているのだろうか。
 こぼした汗も体液も乾く頃、太一はゆっくり手を動かした。目線が下がる。 自分が刻んだ三つの傷の深さに太一は唇を噛んだ。
 血はヤマトの臍の近くまで垂れていた。すでに乾いた部分も、汗で鮮やかさを保ってもいる部分もある。えぐれた肉が傷口の周辺にささくれだったように残り、奥深い場所は汗に濡らされ、てらてらと輝いていた。
 太一は傷を見つめていた。赤さに魅入られたように見つめ、まるでそうするのが本能だというように太一は顔を伏せると、ヤマトの傷口を舐めた。血と汗と涙の味だ。罪深い味だった。
 ヤマトの手が太一の頭を抱く。
「太一」
 頬と耳に添えられた手に、太一は首を振った。
「ごめん、ヤマト」
「深い傷じゃない」
「違う。そうじゃない……俺は、お前――」
 太一と同じように、そして太一よりは優しい方法で、ヤマトは太一を黙らせた。唇を重ね、太一をベッドに横たえる。組まれた天井の木を明かりが優しく照らしていた。
 眠る際に太一は必ず、ヤマトの名を呼ぶ。太一が眠るのを見届けてから、目を閉じるヤマトは自分だけに向けられる太一の声が心を貫いていくのをいつも感じる。
 今もまた痛みに耐えようとヤマトは太一の髪を撫でた。髪の根元は汗でまだ湿っていた。  
 太一は唇を開こうとしなかった。代わりにヤマトの胸に顔を寄せ、傷口に唇を寄せた。
 声が与える痛みと唇が与える痛み、どちらがより鋭いのか、ヤマトは最後まで選べなかった。太一のすべてが、痛みと同じ存在だったからだ。



 滞在の代金はクレジットカードで払われることになっていた。カードの主の名は太一ではなくヤマトで、予定された宿泊日数は七日間だった。
 薄いモニターから目を離し、光子郎はもうひとつの画面を見つめた。文字と数字との混じり合ったアドレス。こちらも調べるのに時間はかからなかった。造作もないことだ。自分の心を決めるのに時間がかかるだけだった。違法作業に対する後ろめたさではない。これから仲間に引きずり込むもう一人への罪悪感だった。
 今は全てが手の中にあった。自分がどれだけ、浅ましく醜い表情を浮かべているかは理解している。きっと心の内はすさまじいまでに荒れ狂っているだろう。これを、太一が戻ってくるまでに隠しきれる自信もあった。
 待っていれば、太一は戻ってくるのだった。待つことに慣れていたはずなのに、それが苦しい。一呼吸ごとに太一を思い、一呼吸ごとに全身が痛んだ。
 分かっていた。これから見過ごすことも、気にしないように勤めることも困難なほど、強く濃く、はっきりと太一はヤマトを想うだろう。今まで封じ込めていた心を解放し、自分の命まで懸けてヤマトを愛するのだろう。
 太一の視線と心は光子郎をすり抜け、遠い男へと向けられるのだった。
 太一と過ごす時間すべてに、ヤマトの影が差す。自分が手に入れるのは抜け殻だ。太一は笑いもし、怒りもし、涙も流すだろう。光子郎の名を呼び、腕をさしのべ、抱きしめてくれる。だがすでにして、それは太一であり太一ではない。そして、そんな太一をも欲さずにはいられない自分がいる。
 太一の瞳に言葉を封じられるのだ。許しを請うのは光子郎自身なのだった。
 太一の心にヤマトが巣くっていたのなら、それでも良かった。生ある限り、ヤマトは太一を振り返らない。光子郎にとっての太一に等しい存在をヤマトは得ていた。ヤマトは太一には届かない位置に行った男のはずだった。――いや、今でもそうだ。
 メールはいつでも送れる。決して差出人の分からない匿名のメールになる。残酷さに気づかないまま、彼女はそこへ向かうだろうか? 真実を、あるいは偽りをその目で見るのだろうか。  
 光子郎はゆっくりキーを打ち始めた。その一つ一つの音が、太一を縛る鎖になればよいと祈った。


<<<<
>>>>

<<<