赤い髪の悪魔が口を開く。
 何事か言葉をつむいでいるが、の耳には届かない。

 いや、何を言っているか。
 それだけならば、は知っている。

 『彼』をはじめて呼び出した日に、自身に向けて発せられた言葉だった。

「あなたは……何故、そんなに怒ってしまったんですか?」

 俯きたくなる心を叱り、悪魔の緋色の瞳を見つめた。
 怒りに揺れる瞳に、の言葉は届かない。

「……あなたが望んだことのはずです」

 互いに一方通行に言葉をつむぎ、届かぬ言葉にが諦めて俯く。
 それとタイミングを同じくして、悪魔はため息をつき、腰に手を当てた。

 不意に顔をあげる。

 表に浮かぶのは、不敵な微笑み。

 この顔を、は知っている。
 一番印象に残っている場面かもしれない。
 強い輝きを宿した瞳よりも、燃えるような赤い髪よりも、の中に『彼』の存在を刻み付けた一瞬。

 悪魔は身を屈めて、の額に口付けを落とし――――――






  

 後書きの類似品。

 なにがあったの、なしえさん(笑)
 アップした翌日にまたアップなんて……はじめての快挙です。でも、快挙っていうか、たんに話しが動いておらず、なおかつ短いだけですが。(苦笑) いいんです、きっと気持ちの問題。
 プロットにない今回のやりとり。実は某ランキング(笑)の影響でもあります。(バルレルの出番、当分先なので(笑) あと、書いてるうちに、『これはいれといた方がいいかな?』ってのが出てきまして、今回のマグナの『不安』であります。ただの能天気馬鹿にはしたくなかったので、それなりに不安を持っていただきました。

 何気なく、ハサハの寝相が悪いです(笑)
 ちょっとだけ触れられていますが、『姿を見かけない養父直轄の召喚師』は……ガレアノさんです(笑) マグナに殺られたらしいです(爆) たぶん、このおかげで出番がないんです(待て) キュラーはたぶん、何気な〜くガレアノに災厄を押しつけております。

(2004.06.21UP)
(2008.02.15 加筆修正)