――――――ND2000
 ローレライの力を継ぐ者、キムラスカに誕生す、
 其は王族に連なる赤い髪の男児なり、
 名を『聖なる焔の光』と称す、
 彼は、キムラスカ・ランバルティアを新たな繁栄に導くだろう ――――――








 聞き覚えのあるフレーズと、心地よい声。
 どこで聞いた台詞だろうか。
 そう思考を巡らせるが、該当する記憶はない。
 そもそも、同じ事をバチカルでもダアトでも聞く事になったはずだ。
 『どこで』と考える方が間違っているかもしれない。
 一度クリアして、そのまま『夢見て』しまったのだ。
 細かい『イベント』の発生時期や、内容は、にとって曖昧なもので、朧げにしか掴んではいない。

 目を開く。

 青い星が見えた。
 地球ではない。
 ゲームでみたマップそのままの地形と、星を包む6つの音譜帯。

 ああ、夢を見ているのか。

 がそう理解すると、『場面』がかわる。
 青い星の次に目の前に現れたのは――――――ティア・グランツ。
 ティアの登場とともに、世界も一転していた。

『いよいよだわ……』

 薄暗い部屋と、光を放つ譜陣。
 厳かに呟いたティアは、目の前のに気づく事なく、思いつめた表情で譜陣の中に足を踏み入れる。

『……行きます』

 光を増す譜陣に、は『それ』が『いつ』なのかを思い出した。