ここで一つ、確認事項がある。











 もしも、自分がよくある『夢小説』の主人公のように、『物語の中へ入っていけたら』何をするだろうか。

 非業の死を迎えるプリン好きな美少年を助けるか。
 親莫迦傭兵の後妻におさまるか。
 はたまた、ヒロインになりかわり本来の主人公と結ばれるのか。
 主人公を陥れ、ラスボスの手助けをするのも良いかもしれない。


 『できない』ことは、無いかもしれない。
 『結果』にいたる『経過』を、自分は知っているのだから。


 『できる』ことこそ、無いのかもしれない。
 必要な『経過』を知り、必然的な『結果』を知っているのだから。


 『決まった終焉』を迎えるためには、一部分だけを自分の都合の良いようにかえることはできない。
 一部を変えられた物語は、つじつまを合わせるために、結果までも姿を変えてしまうから。







 だからこそ、確認事項がある。








 それはこの『先』に進む上で、とても大切で、譲れないものだ。
 もしも『不快』に感じたり、『自分はそうは思わない』と思ったのなら、『夢見ない』ことをお勧めする。













 一つめの確認。

『忍び込んだ『アビスの世界』で、『あなた』は何をしたいのか?』



『そう』思いいたり、は静かに瞳を閉じる。



 妄想と勢いだけで長編なんて『つっぱしる』ことは出来ない。
 明確な目標が必要だ。

『明確な目標』=『の願い』でよいのだろうか?

の願い』は……そう。

『イオンが生きること』

『ルークとアッシュが『二人で』いられること』


 これぐらいだろうか?
 意外に少ない。
 でも、人間3人の命がかかっている。
『少なく』はあるが、『大したこと』ではある。

 ああ、そうだ。
 存在の悲しみよりも、納得できないことがあった。

『アニスの処遇』『アリエッタの末路』

 これは、納得できない。
 『パーティーキャラ』達は、アニスに対して甘くはないだろうか?
 アニスさえ居なければ、タルタロスの乗員140名とアリエッタの命は助かるかもしれない。
 そうは考えられないだろうか?









 二つめの確認。

『『あなた』は忍び込んだ『アビスの世界』で何をする?』



『問い』に答えるべく、は静かに唇を開く。

「イオンを殺したくない」

 救う方法をもってもいないのに?

「ルークとアッシュにも、『二人でいて』ほしい」

 完全同位体の宿命をこえて?
 知識も知恵も足りないのに?
 あの天才博士にもできなかったことを?

「アニスが……許せない」

『物語』が成立すらしなくなるかもしれないのに?





  



ある意味、『夢見る』ための注意事項?
さんのアニスへの印象は悪いです。