彼は泣いていたのだ。
あの優しくて弱いココロを震わせ。

全てを創り出し 全てを消し去る力を持ちながらも
本当は誰も助けられないのだと 判って貰えず 泪を零していたのだ。



【何故 僕の翼は小さいの】


此れでは巧く飛べないんだ。貴方の力で今すぐ直してよ。

【何故 彼が掻き消えてしまったの】


愛していたのに。大切だったのに。彼は消えてしまったわ。貴方が、コロシタの。


身勝手に『助け』を求める声。
無視することも適わず、彼は嗚咽を漏らし。
其の声に答える事もできず 只 独りきりで耐えていた。

彼は何かを創り出すことと 其れを消し去る事が巧かっただけ。
只 其れだけの事だったのに。



神様が万能だなんて 一体誰の台詞だ?


万能であって欲しいという願いは 確かに誰のココロにもあったけれど。



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