それはふとした瞬間のことで。

      気がついたのも、普通すぎる日常の中で。



本当は知っていたんだ。

      僕を見ている視線が、何故か僕を通り過ぎていたから。



『望まれていたのは自分ではない、他の誰かだった』


『僕の遥か向こう側、一体誰を探し求めていたの?』

なんて、聞けるわけもないけど。


哀しいと泣き叫べば良かったのか。

      苦しいと縋り付けば良かったのか。



本当は苦しかった。虚しかった。

      何時になったら自分を見てくれる?



今更になって思うけれども。それはもう、遅すぎるコトだから。



事実を口に出せば、君が壊れてしまうと、知り過ぎていたから。


此処で独り願おう。



此処で独り待とう。


いつか先の未来に 貴方と向き合える日が来ることを。


いつか先の未来に、貴方が僕を知る日が訪れることを。







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