頭がいてぇ……。
痛い?これくらいでか?外は真っ暗なのに、目の前だけはチカチカしやがる。
お前は脆いな。ちきしょうっ。
可哀想に。ヤツの記憶を見ると、必ずこうなる。
それは俺が態々選んでるんだよ。何処までも真紅な道。
吐き気がしそうだった。手はいつもその色に染まる。
何度となく泣きそうになった。鼻につく、あの独特な匂い。
そして緩慢になる。骨を潰したときの、あの感覚。
頭の芯が感覚を失う。純白という穢れを 真紅な血で洗い流すように。
純粋さは、あまりに残酷だから。心躍るその瞬間。
シロでは、何も守れないから。ヤツの記憶に、体ごと持っていかれそうになる。
大丈夫。ちきしょう……。
狂気に溺れろ。マタだ。
さぁ早く。またあの感覚がやってきた。
俺の声を聞け。ちきしょう。
否定するな。もう見たくなんてないのに。
アレとの約束を籠に閉じ込めたはずの記憶が、無理矢理這い出してきやがった……。
初めて人を殺した日。アレが悲しげに笑ったんだ。NEXT ⇔ BACK ⇔ Angelus TOP