「ふぁっ…しゅ…ご君…」

柔らかい唇の感触と、口内を蠢く彼の舌。

奥深くで絡み合い、次第に私の口から甘い声が漏れ始める。

「美菜?…さっきは後でって言ったけど…やっぱり先に美菜が欲しくなっちゃった」

官能的なキスを繰り返しながら、その合間にうっとりするほどの色っぽい声で修吾君がそう囁いてくる。

最近は勉強を優先してるから、こういう事は久し振りで。

自分でも戸惑うほどに、修吾君と同じ事を思っている自分がいる。



修吾君の温もりを感じたい――――。

修吾君と一つになりたい…って。



「修…吾…君」

「ごめんね、美菜。最近、そういう事してないから…歯止めが利かないかもしれない…」

修吾君は申し訳無さそうな声と共に、私の体をゆっくりと床に倒して上から見下ろしてくる。

その表情が凄く色っぽくて、綺麗で。

私はその綺麗な頬に手を添えて、ニッコリと微笑んでみせる。



今日はクリスマスイブだから…ちょっぴり大胆になれる気がする。



「うん…私も…修吾君と同じ気持ちだから…いい…よ?」

「美菜…」

驚いたような表情と嬉しそうな表情が入り混じった少し複雑な修吾君の顔。

言ってしまってから、やっぱり大胆すぎたと恥ずかしくなっちゃって、両手で顔を隠す。

「美菜、顔を隠しちゃったらキスできないでしょう?」

「だ、だってぇ…恥ずかしくなったんだもん!」

「言っちゃってから恥ずかしくなったの?可愛い、美菜」

修吾君はクスクス。と笑いながら私の手をそっと脇に避けると、優しい笑みを見せてくれる。

「クリスマスだから特別に言ってくれたの?」

「ん……」

「俺としては特別な日だけじゃなくて、たまに言って欲しいけどね?美菜の口から俺が欲しい、って」

「それは…」



……絶対口が裂けても言えません。



「美菜…大好きだよ?」

「私も。修吾君が大好き」



これが私が素直に言える精一杯の言葉。



「こうして、毎年必ずクリスマスは2人で一緒に過ごそうね?」

「うん…」

「ずっとずっと、この先も…」



――――ずっとずっと大好きな修吾君と一緒に



お互いに微笑み合い、ゆっくりと唇を重ねる。

何度、こうして修吾君と唇を重ねただろう。

数え切れないぐらい沢山重ねた唇。

だけどいつだって彼とのキスは心臓がドキドキして胸がキュンと締め付けられる。

最初はキスマークの事すら充分に理解出来てなかったのに。

今じゃそれ以上の事を知ってしまった私。

どんどん修吾君と一緒に大人になって行く気がする。

これからも変わり続けるんだろうか…私は。



身に纏っているものを全て取り払われて、修吾君の唇が肌を這い出すと、自然と甘い声が漏れて身体の芯が熱く火照り出す。

「あっ…んぁっ…修吾…く…ん…」

「美菜…もっと聞かせて?その可愛い声を…」

修吾君は少し掠れた声で囁き、露になった胸の蕾を口に含む。

「あぁっン…」

それだけで身体に電流が走ったように、痺れが走る。

修吾君の甘い囁きも、与えられる刺激も、全てが私を支配する。

胸の輪郭を舌先でなぞられ、そのまま蕾をコロコロと弄ぶ。

そして、もう片方の胸を指先で弄られると、身体は仰け反り自然と私の手は彼の頭に向かっていて、綺麗な黒い髪を掴むようにグッと中まで差し込んでいた。

くすぐったさとは別の何とも言えない体が痺れる感覚。

次第に息が上がり、薄っすらと私の体から汗が滲み出てくる。

修吾君もまた薄っすらと身体に汗が滲み、直に触れる肌がとても熱く感じる。

修吾君はいつものようにゆっくりと時間をかけて私の肌に唇を這わす。

時折、チュッと強く吸い上げて紅い痕を残しながら…

「また暫くつけられないからいっぱいつけちゃおうか?」

そんな意地悪な声も色っぽく感じてしまうから悔しい。

「やっ…やだぁ…ダメぇ…」

「俺のモノって言う印、つけたらイヤなの?」

「そ…じゃないけど…」

いっぱいって言ったら、本当にいっぱいつけちゃうんだもん…修吾君の場合。

「じゃあ…私もいっぱいつけていい?」

苦肉の策の反論。

それに対して修吾君の動きが一瞬止まる。

「………そうきたか」

修吾君は一瞬考えるように黙ってから、ニッコリとした笑みを見せるとそっと耳元に囁いてくる。

「いいよ?もう冬休みだからね?制服着る事も暫くないし、ニットとか着ていればバレないから…」



………そうきたか。



やっぱり修吾君の方が一枚も二枚も上手なようで…宣言通り身体のいたるところに紅い印が咲き誇る。

私も何とか修吾君につけ返そうと頑張ってはみるものの、中々彼の肌に触らせてもらえない。

「ずっずるい!私もいっぱいつけるって言ったのにぃ!!」

「だからいいよ?って言ったでしょう?」

「だぁって…さっきから全然触れられないんだもん!ワザとでしょう?」

「クスクス。さぁ?」



絶対ワザとだ、その顔。



私はぶぅ。と頬を膨らませて、えぃ!とばかりに強引に体勢をひっくり返す。

そう…私が上で修吾君が下……え、下?!

この状況に修吾君はもちろん、一番驚いてるのは他でもないこの私。



ど…どうしましょうか。この状況?



やってしまってから悩んでもどうしようもない訳で。

一人うろたえてると、下から修吾君の声が聞こえてくる。

「美菜…たまにとんでもない行動に出るよね?…これも、クリスマスだから?」

「いやっ…ちがっ…あの…そのぅ……」

「クスクス。美菜ってば、だいた〜ん」

「うにゃぁぁぁ!そ、そういう事を言わないでって!!ど、ど、どうしよう?」

「俺にキスマークつけたいんでしょう?美菜が思うように動いてみたら?」



………意地悪だ。



だけど、この体勢になってしまった以上突き進まなくちゃいけないような雰囲気で。

むむぅ。と、唸ってから、ヨシ。と気合を入れて彼の体を跨いで四つん這いのような恰好になる。



クリスマス特別バージョンって事で。

こんな大胆な美菜だってたまにはあるのよ?と、自分で自分に言い聞かせて修吾君の首筋に唇を這わせる。



ぎこちなくだけど、彼のしなやかな肌に唇を這わせて、時折自分につけられたのと同じような痕を点々と残して行く。

修吾君は一生懸命な私の身体を優しく撫でながら、時折色っぽく息を吐く。

「美菜…気持ちいいよ?」

そんな切なそうな修吾君の声が聞こえると、心の底から嬉しくなる。

そうして暫く色んな場所に唇を這わせて痕を残していると、急に修吾君が身体を引き上げてキスをしてくる。

「美菜…そろそろ限界…這入ってもいい?」

その色っぽい声に胸の奥がキュンとなる。

私は言葉ではなく頷いて見せると、修吾君が耳元に囁いてくる。

「ベッドボードにあるの…取って?」

私は素直にそれに従い、小さな袋を引き出しから取り出すと、頬を紅く染めて修吾君に差し出す。

「着けて?美菜」

「は、はい?!」



着けるって…私がですか??



「美菜が上にいるから自分で着けられないし、着けて?」

「あっぅ…じゃ、じゃあ…し、下に行きましょうか?」



この返答もどうかと思うけど…



「ダメ…今日はクリスマス特別バージョンで美菜に着けて欲しいなぁ」



何でもかんでもクリスマス特別バージョンにしないで欲しい。



「で、でもぉ…着け方なんて分からないし…」

「じゃあ、その袋を開けて?」

言われた通りにぴっと引いて袋を破く。

「中身を出して…」

丸まったゴムのような丸いモノを言われた通りに取り出し、言われた通りの行動をする私。



………いつの間にか…着けてしまってる…



すごく単純な自分に愕然とうな垂れつつも、再び修吾君に身体を引き上げられてキスをされると、もうどうでもよくなってくる。

相変わらず彼を跨ぐような恰好で覆い被さっている私に、キスを繰り返しながら修吾君が秘部に指を這わせて刺激を与えてきた。

修吾君の指が中で蠢く度、角度が変わる度に私の中から熱い蜜が溢れ出す。

「あっ…あぁっ…修吾君っ…」

「そろそろ…這入っても大丈夫かな…美菜…いい?」

高波に攫われそうになる一歩手前で指を引き抜くと、修吾君は切なそうに耳元に囁きかけてくる。

私がコクンと頷くと、修吾君は秘部に自身をあてがって、ゆっくりと私の腰を引き寄せる。

徐々に大きくなる私の中の彼の存在。

最後まで埋まる頃には、修吾君の色っぽく吐く息と私の甘い声が同時に漏れていた。

「美菜?自分で動いてみて?」

そんな声と共に上体を押し上げられ、彼を跨いで座る形になる。

「んぁっ!!」

いつもよりも深く這入っているんじゃないかと思う程の刺激に、思わず自分の顎が上がる。

「やっ、やだぁ…動くなんてっ…できないっぃ…」

「大丈夫っ…美菜が気持ちいいって思ったら…俺も気持ちいいから…動いてみて?」

ゆっくりと下から突き上げられるように律動を送られ、修吾君の胸に手を添わせながらも自然と自分でも動き始めていた私。

いつもとは違う刺激に頭が次第に真っ白になっていく。

「あっ…あぁっ…しゅ…ご…くっ…いやっ…ダメっ!…あンっ…あぁあんっ」

「っくぁっ…美菜っ…すごい…気持ち…いい…はぁっ…も…ヤバイっ…」

両胸の蕾を摘んで刺激を与えられながら、徐々に突き上げられるリズムが早くなる。

私はもう、自分の腕では支えきれなくなって、修吾君の首に腕をまわして体に覆い被さる。

修吾君はその私の体に腕をまわしてギュッと抱きしめてくると、クルッと体を反転させて体勢を入れ替えた。

「美菜…愛してる」

そう耳元で囁き、熱いキスを送られる。



――――私も…愛してる



激しく送られる律動に翻弄されながらも、私もありったけの気持ちを込めて彼のキスに答える。

口内奥深くで絡み合うお互いの舌。

もう、限界に近かった。

大きな高波に攫われそうな予感。

私はグッと彼の首にまわした腕に力を入れて、自分を見失わないようにしがみ付く。

「あっ…もっ…ダメっ…あぁっ…あぁぁぁんっ!!」

「ん…俺もっ…一緒にっ…くぁっ!!」

目の前がスパークして、体が仰け反るのとほぼ同時に、修吾君が熱いモノを吐き出したのを感じていた。



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