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言ってる意味が分かんねぇ。さっぱり分かんねぇ。

今、コイツ・・・何を言いやがった?

『おーい、聞こえてる?と・も・やーっ!!』

「っるせぇ!!聞こえてるっつうの。」

『だったら返事ぐらしなさいよ。で、どう明日?』

「何で俺がお前とそんな事しなきゃなんねぇんだよ。学園を出ればお前とは関係ねぇ。」

真由も俺が誰と話してるのか分かったらしく、少し不安そうな表情を浮かべる。

俺はその体を引き寄せて、大丈夫。とでも言うように、軽く唇に自分の唇を重ねた。

『でも、明日兄と真由さんはデートでしょ?』

「デートじゃねぇ!今から断りの電話を入れる予定なんだ。ちょうどいいや、兄貴に代われ。」

『あら、残念。兄なら今さっき、家庭教師のバイトに出かけちゃったとこなのよー。』

「だったらお前から言っておけ。真由は行かせねぇって。」

『クスクス。あなたってほんと独占欲が強いのねぇ。真由さんが羨ましいわ。でもご愁傷様。私はそんな事言うつもりありませんから。』

「なっ?!」

向こう側からきっぱりと断られ、俺の言葉が詰まる。

『それに、真由さん自身は嫌がってなかったらしいじゃない。って事は行ってもいいって思ってるんじゃないの?』

「それは・・・。」

『いいじゃない、一日ぐらい。ね、兄さんの行きそうな場所分かってるからそこら辺をうろついたらいいし、いざと言う時は飛び掛ってもいけるから。』


・・・いざと言う時?

そんなもんあって堪るか!!


「・・・俺は行かねぇ。」

『あっそ?じゃぁ一人部屋でもんもんとした土曜日を過ごせば?私一人彼らの後つけて楽しんじゃうから。じゃ・・・』

「ちょっ・・・ちょっと待て!!」

携帯を切ろうとするメイを俺は慌てて引き止める。

『あら、何か用かしら?』

「・・・わぁったよ、行くよ。行けばいいんだろ?」

『クスクス。そう?話が分かるじゃない。』

「言っとくけど、俺は真由の護衛の為に行くんだからな。明日は学園とは無関係なんだ。気安く俺に触れんなよ。」

『あはははっ!はいはい、分かってるわよ。じゃ、また明日連絡するわね。あっ、それと・・・』

俺が電話を切ろうとした所で、メイの声がそれを止める。

『真由さんにはバレちゃってるからあれだけど、兄さんには私達がつけてるって事、言わないようにって真由さんに言っておいてね。』

「・・・なんでだよ。」

『ん、別に?自然な姿の兄を見たいから。』

「はぁ?なんだよ、それ。」

『いいのいいの。じゃ、そういう事で。』

メイの言葉に幾分か疑問を持ちながら、俺は携帯を切る。

「・・・・・智也。明日、メイさんと?」

携帯を切ってすぐに、真由が心配そうな表情で俺を見上げてくる。

「ん?あぁ、まぁ。けど、横で聞いてたろ?俺はヤツがお前に何かしようとしたら、ぶん殴る為に行くんだから。メイのヤツは兄貴見て楽しみたいらしいけど。」

「メイって・・・。」

「え?」

「智也だって、あの子の事メイって呼んでぇ・・・さっき私が剛さんって呼んだらすっごく怒ったくせにぃ。」

真由は俺を見ながら可愛らしくぷくっと頬を膨らませて拗ねたような声を出す。

「何、お前もヤキモチ?」

「ヤキモチって・・・智也ヤキモチ妬いてたの?」

「ヤキモチ以外の何があんだよ。他の男の名前呼んで怒るなんてよ。」

真由の頬をうにうにっと抓りながら、そう呟くと彼女は嬉しそうにはにかんで見せる。

「そっか、ヤキモチ焼いてくれてたんだ。ちょっと嬉しいな。」

ちょっとか?って俺が真由に問いかけると、すごく。と言い直して照れたように笑う。

俺はそんな真由の頬に手を添えて唇を寄せた。

「ふっ・・・ぅん。」

俺はそのままキスを深くすると、奥深くで真由の舌と絡み合わせる。

次第に真由の声が甘いものと変わり、俺の脳を刺激する。

角度を変えながらキスを繰り返し、手早く真由のブラウスのボタンを外して、露になった彼女の肌に指を這わせて胸の膨らみを掌で包み込む。

「・・・やっぁ。」

「嫌じゃねぇだろ?真由。」

「あっ・・でも・・・もうすぐ帰って来る・・よ?」

「今日は、何曜日だっけ?」

俺はブラの上から刺激を与えながら、真由の耳朶を唇で挟みながらそう囁く。

「きん・・・よう?」

「そ、金曜日。っつぅ事は両親はお外でお食事。帰りはいつもの様に遅いよな?」

俺らの両親は再婚者同士。

俺らが物心ついた頃から両親は金曜日は必ず外で2人だけで食事をするようになっていた。

お互いもう間違いは犯さないように、2人の時間を大事にしたいからだそうで。

ま、その方が俺らにとっては都合がいいんだけど。

ほら、こうやって真由との時間を楽しめるわけだし?

俺は力の抜け始めた真由の体を支えながら、首筋に舌を這わせてフロントホックを器用に外す。

生地の中から姿を見せた真由の形の良い胸に手を添わせて蕾を弄る。

「あっやぁっ・・・智也っ。」

「また『嫌』か?いつも正直に言えって言ってるだろ?ほら、こうやって体みたいにさ。」

胸の蕾を弄ったまま、あいた片方の手を真由のスカートの中に忍び込ませて、下着の上から彼女の秘部を指でなぞる。

もう既に彼女の蜜で潤い始めてたそこは、俺が指を動かす度に潤いが増す。

「はんっ・・・もぉ・・智也っ・・・ぁんっ!!」

「ねぇ、真由・・・いつものやって。」

真由の体を覆うものを全て取っ払い、頬が少し赤らみ始めた真由に俺はそう囁く。

真由は潤んだ瞳で俺を見ながら、色っぽく顔を近づけて来て俺の唇を塞ぐ。

胸と秘部に刺激を与えられて、時折塞いだ唇から声を漏らしながらゆっくりと俺のベルトのバックルを外してズボンを脱がせる。

真由は唇を離して上半身を屈ませると、姿を見せたお腹につきそうなほど反り返った俺のソレを口に含んで刺激を与えはじめた。

「っ!・・・っく!!」

今度は自分の口から声が漏れて、自然に手が真由の頭に移動する。

それだけでイってしまいそうになる自分を抑えながら、自分もシャツを脱ぎ捨てて体を屈めると真由の下に寝転び俺の頭を跨がせる。

少し頭を擡げて真由の潤いきったその部分に舌を這わせて中に這入ると、下の方で真由の色っぽい声が漏れる。

お互いの敏感な部分を攻め合い、卑猥な水音が俺の部屋に響く。

指で真由の蜜をかき出すように内壁を擦り、溢れて内腿を伝う蜜を舌で舐め上げると、真由の体が堪らずに弓なりに仰け反る。

「はぁっんっ!!」

「真由・・・気持ちいい?」

俺がそう掠れた声で聞くと、真由はコクコクと頷いて再び艶っぽい声を響かせる。

暫くそうして攻めていると、彼女の声色がより一層高く部屋に響く。

「んぁんっ!・・・も・・ダメぇ・・智也っ・・ダメなのっ!!」

「ダメ?真由・・・どうして欲しい?」

「もぉ・・・意地悪言わない・・・でっんんっ!!」

「正直に言わないとここで止めるぞ?真由ー?」

俺は意地悪く囁いて、ヒクヒクッ。と反応を見せる真由の秘部の周りをワザと音を立てて吸い上げる。


・・・と、言いつつ、俺も何気に限界だったりするんだけど。



「あぁんっ!・・・やんっ・・智也・・・欲しいの。」

「欲しい?俺が欲しいの?」

「ん・・・智也が欲しい。」

「じゃぁあげる。奥深くまで。」

俺は上体を起こして自分の準備を済ませると、真由の体をベッドに組み敷き足を大きく押し広げて自身を入り口にあてがいゆっくりと中に押し進める。

「ぁんんっ!!とも・・やぁ。」

「はっ・・・・くぁ。すごっ・・・今日凄い締まるじゃん。」

俺はゆるゆると出入りを繰り返しながら真由の中を味わう。

真由の中は凄く熱くて、心地が良すぎる。

上体を曲げて真由の唇を塞ぎ、徐々に律動を早めていく。

奥深くで舌を絡め合わせながら、彼女の弱い部分を集中的に擦り上げると背中にまわされた手に力が入る。


・・・そろそろだな。


真由の果てが近づいてきた事を感じ取ると、俺は更に脚を押し広げて繋がり部分を深くする。

「真由っ・・・すげぇ気持ちいいっ・・・奥当たってっかも。」

「はっ・・んああぁんっ!智也っ・・いいっ・・いいっ・・んん!!そこっ・・ひゃっん!!」

「んっ分かってるよ・・そろそろイこっか。俺、限界近い。」

俺は真由の体に覆い被さると、激しく中を攻め立てる。

「いやっいやっ・・・智也ッ・・・んやぁぁぁっ!!」

「んっ!!・・・ま・・ゆっ!!!」

急激に締め付けられる自身。それを感じ取りながら俺も熱いモノを吐き出した。

「は・・・ぁ。」

「智・・也ぁ・・・好き・・大好きよ。」

「ん、俺も。好きだよ、真由。」

まだヒクつきが残る真由の中を堪能しながら、俺は真由に唇を寄せる。

「真由・・明日何かあったら俺が助けてやるからな。」

「クスクス。そんなに心配しなくても大丈夫だよぉ。プレゼント選ぶだけだよ?」

「はぁ・・・ったくお前は。何だかんだ言ってヤツがお前狙ってたらどうすんだよ。」

「そんな事言ったらメイさんだってそうだよ?智也がメイさんの方にいっちゃったらどうするの?」

「ばーか。俺がお前以外に行くと思う?」

ぺちん。とおでこをつつくと、ぶぅ。と頬を膨らませて真由が俺を見上げる。

「だぁってぇ。メイさん綺麗なんだもん。」

「お前の方がよっぽど綺麗だ。マジで明日剛のヤローが何かしやがったら俺は絶ってぇ許さねぇ。」

俺は真由の体を抱きしめながら、明日何か起こったら必ずぶん殴ってやる。そう心に決めた。





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