*あなたの温もり




「あっ・・んっ・・ユキ・・・ちゃ・・・。」

「お前、敏感すぎ。こんなんじゃ・・・最後まで持たねぇぞ。」

お互いの肌が直に触れ、ユキちゃんの熱い息が私の肌を撫でる。

ユキちゃんの唇が移動する度、耳元で囁かれる度に私の身体が反応をみせる。

「でも・・・だって・・や・・んっ・・。」

「葵・・・ずっと抱きたかったお前の事・・・ずっとこうしてやりたかった。もう離さねぇから・・・絶対離してやらねえからな。覚悟しとけ。」

「私っ・・竹下先輩とか・・・高井先輩みたいにっ・・・綺麗じゃないよ?それでもいいの?」

「俺はお前じゃなきゃダメだから・・・女は男を知ったら自然と綺麗になってくんだよ。道具を使ったまがい物の綺麗じゃなく、芯から俺がお前を綺麗にしてやる・・・だから背伸びして化粧なんてしなくていいんだよ。お前はそのままの葵でいろ。俺の知らない所で変えようとするな。いいな?」

「んっ・・・ユキちゃん・・・はんっ!!」

ユキちゃんの唇が私の胸の蕾を含み、舌でコロコロっと弄ばれると途端に仰け反る自分の身体。

もう片方の胸の蕾を指先で弄られ、反対の指が私の身体を撫でる。

それだけで、私の思考回路はパンク寸前だった。

もうダメ・・・何も考えられなくなってきたよ。

私はユキちゃんから与えられる刺激だけを感じ、宙をさまよう。

「あおい〜。すっげぇ濡れてんぞ?」

ユキちゃんは少し意地悪く囁きながら、私の敏感な部分に指をあてがうとヒダをゆっくりと往復させる。

「あんっ・・・やぁっ・・・そんな事っ。」

わざわざ口に出して言わないで。

途端に恥ずかしさがこみ上げてきて、顔が真っ赤に染め上がる。

「えっちぃ体。俺好みの身体になりそうだな、葵。」

そう嬉しそうに呟きながら、ちゅぷっ。と音を立てながらユキちゃんの指が私の中に這入ってくる。

少しユキちゃんのイメージが・・・。

そんな若干の疑問も吹き飛ぶくらい、今までに感じた事のない感覚に支配される。

「あっぁ・・・ユキちゃんっ・・・何っ・・変!!」

「変、じゃなくて気持ちいいんだろ?葵。お前、全身が性感帯なんじゃねぇの?すげぇよ、お前の中。気持ちいいくらい俺の指を締め付けてくんぞ。」

「やっダメっ・・・動かしちゃっ・・・変になっちゃう!!」

「動かさなきゃイかせてやれねぇだろ?なぁ、葵。指を動かす度お前の蜜がどんどん溢れ出してくんぞ。どうする?俺のベッドがお前で溢れてんだけど。」

耳朶を舐めながらそう耳元で囁き、彼は指の動きを少しずつ早めてくる。

「いやっいやっ・・動かしちゃっダメ・・・んっ!あっぁっ・・ユキちゃん・・・なんかっ・・・変!なんかっ・・・やぁぁぁっ!!」

「イかせてやるよ。」

ユキちゃんの低く掠れたが耳に微かに届き、白い霧に混じってかき消された。






「・・・気持ちよかったろ?」

肩で息をする私に、ユキちゃんは優しく髪を撫でながら耳元でそう囁いてくる。

「ユキ・・ちゃん・・・。」

「これからもっと気持ちよくしてやるよ。」

荒い息遣いの中、唇を再び塞がれて口内を優しく犯される。

キスをしたままユキちゃんは私に覆い被さってくると、まだヒクつきの残る入り口に何かをあてがいそのままゆっくりと中に押し進んでくる。

「は・・んっ!!」

先程のユキちゃんの指とは比べ物にならないくらいの存在感。

私は堪らず、唇が離れて顎が上がる。

「葵・・・痛い・・・か?」

切なそうな表情で私を見るユキちゃんに、今何が私の中に這入ってきているのか認識した。

ユキちゃんと一つに・・・。

そう思うだけで、自然と痛みが治まってくるように思えた。

「ううんっ・・・大丈夫っ・・・ぁっん!!」

「お前・・・反則だぞこれ。」

「やっ・・・どうして?」

「気持ちよすぎっ・・・っく・・・葵は初めてだから痛いだろうと思ってゴム着けてねんだけど・・・かなりヤバイ。」

「えっえっ?!なっ何がヤバイの?つけてないって・・・。」

途端に不安に駆られて、私の表情が曇る。

その表情を見て、ユキちゃんは微笑むと優しく頬を撫でてきた。

「安心しろって。そういうヤバイっつう意味じゃねえから・・・もっかいお前をイかせてやれねぇかもって事。葵、後何回できそう?」

何回って・・・初めてするのにそんな事分かるわけが。

「そっそんな事言われても・・・。」

「クスクス。ま、お前に聞いても分かんねぇよな。けど、お前は俺好みの身体じゃなくてそれ以上の身体だよ、葵。やっぱお前は絶対離してやんねぇ。川村との事は忘れてやる。俺だって散々やってきたんだし?だけど、これからは俺だけの葵だから・・・忘れんなよ?」

「うん。ユキちゃんの事・・・好きだもん。私、離れたくない。」

「俺も好きだよ・・・葵の事。・・・動くぞ、葵。」

――――俺も好きだよ。

その言葉が何度も頭の中をリピートする。

幸せに浸る中、ゆっくりと動き出す彼の身体。

最初は少し痛かったものの、次第にそれはかき消され別の感覚が生まれ出す。

「あっ・・・んっ・・・ユキちゃっ・・・。」

「ちょっ・・・マジ・・ヤッバ・・最短記録っ・・かも。」

ユキちゃんの胸元で揺れるアクセサリーが時折、チャラッ。と音を立てて踊る。

「ユキちゃん・・ユキちゃっ・・・やっ・・また・・・んんっ!!」

「バカっ・・・お前っ・・・急にそんな締めんなっ・・・。」

「だってそんな事っ・・・あっあぁんっ・・・はぁんっ!!」

「クソッ・・・も、限界っ・・・くぁっ。」

ユキちゃんは身体を折って私に覆い被さると、強く抱きしめて律動を早めてくる。

私も彼の背中にまわした腕に力が入り、ぎゅっと彼を抱き寄せた。

「いやぁぁんっ・・・ダメぇっ!ユキちゃん、ユキちゃんっ!!」

「あおいっ・・・っっ!!」

最後身体を激しく揺さぶられ、朦朧とする意識の中、耳元にかかるユキちゃんの色っぽく荒い息遣いとお腹の上に広がる温かい感触を感じていた。






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