*恋は突然に…








すごく綺麗な体――スーツを脱ぎ捨てた秀の体を見てそう呟いてしまった。

広い肩幅、引き締まった筋肉、しなやかに流れる体のラインは本当に綺麗だった。

そう?と嬉しそうに呟くと、秀は再び私の唇を塞ぐ。

下唇をそっと彼の舌が這い、少し開いたところから中に入ってくる。

舌が絡み合い、私の頭の中が再びぼうっと霞んでくる。

秀の手が首筋を伝い胸を包み込み、掌で掴みあげる。それだけでも私の体は敏感に

反応を示し、再び中心部分が潤い始めるのがわかる。

掴んだ胸を舌で弄びながら、開いた片方の手が私の中心部にあてがわれる。

「やっ!あっぁ!!」

「・・・智香さん、もうこんなになっちゃってるよ。」

先程上り詰めたお陰で敏感になっているそこは、まだ中にも入っていないのに触れ

られただけで蜜が溢れ出す。

秀は濡れた指先をわざと私に見せ付ける。指を開くとつーっと糸を引き、なんとも

言えずいやらしかった。

「や・・もぉ・・・変態。」

「クスッ。心外だなぁ。変態ときたか。こうやって濡れてるのは智香さんなんだけど?」

秀はニヤっと笑うと、もう一度中心部に触れ今度は中に入ってきた。

くちゅっといういやらしい音を立てて埋まっていく。

「はっ!!ん・・・あぁ。」

「すごっ・・・智香さんの中、気持ちよさそう。俺の指を締め付けてくる。」

そう嬉しそうに言いながら中を弄り敏感に反応をする場所を探す。

びくっと体が反応を示すと集中的にそこを攻め立ててくる。

「やっ・・・やっ!!ん、ダメ・・・そこ・・・また、私っ!!」

再び上り始めると、寸前で彼は動きを止める。

「今度はそう簡単にイカせてあげないから。」

「や・・ん。・・・イジワルぅ。」

「言っただろ?彼氏を忘れさせてやるって。俺から離れられなくしてやるって。」

意地悪く笑って、私の体が一旦落ち着くと再び彼の指が動き出す。

上り詰めそうになっては寸前で止められ、私の体は限界に来ていた。

「も・・・ダメ・・・お願い。」

私はすがるように秀を見つめる。

「ん?俺がほしい?智香さんかわいいからもう許してあげる。・・・ちょっと待って。」

何やらスーツのポケットを弄り、徐に財布を取り出すと中から四角い袋を取り出した。

その間も待ってられなくて、私は秀の手を取って起き上がると首にしがみ付く。

「今日、安全日だから・・・お願い・・・はやく。」

「じゃあ、お言葉に甘えて・・・でも最後は智香さんの中でイキたいから途中でつけるね。」

そう嬉しそうに呟くと私の足をかかえ自分を跨がせると一気に中を突き上げる。

「んぁっ!!・・・あっぁっんんっ!!!」

「はっ・・・っく・・・ヤベ。想像以上っ・・・つけるまでモツかな。」

秀は切なげに眉を寄せて私の体を揺らしながら、確実に敏感な部分を攻め立ててくる。

焦らされ、限界に来ていた私はすぐに上り始める。

「やっ・・・もぉダメ・・・イクっ・・ん!!あぁぁっ!!!」

私が頂点に達すると、秀は耐えるように体にまわした手に力を入れる。

落ち着くまでじっと耐えると私の体をベッドに倒し、再びゆっくりと動きだした。

「ヤバイよ・・智香さん。マジよすぎ・・・クソっ一回抜いときゃよかった。」

こんなに何度もイカされたのなんて初めてなのに、そんな事されたら私の身がもたないわよ。

そう叫びたかったのに再び私の中が反応を示し、何も言えなくなってしまう。

「あっぁ・・・秀・・・んっ。・・・やっもう・・・ダメ。」

「まだだよ・・・智香さん・・・俺の事見てくれるまで・・・何度でも・・っく。」

「そんな事言ったって・・秀もいつか俊樹・・・みたいに離れ・・・てく。あぁっ!!」

その言葉を聞いた途端、秀は私の腰を持つと激しく突いてきた。

「俺の・・・5年間の片思いをっ・・・甘くみんなって。はっ・・俺は絶対離さないし

離れてなんてやんねぇからっ・・・覚悟して!!」

「あぁっ!!・・・秀・・イクっ・・・ダメっ。んっあぁぁぁ!!」

「っく!俺も・・・も、ダメっ。んっ・・・智香っ!!」

「あぁぁぁぁっ!!秀!!」

「・・・っ!!」

最後はもの凄い勢いで突き上げられて、秀はすばやく身を引くと私の体に熱い物を吐き出す。

秀の切なげな表情がとても愛しく思えてくる。

私達は荒く息をつきながら貪るようにキスをした。



秀は私の体を綺麗に拭きとってくれると、自分の処理も手早く済ませ私の横に寝転ぶと、

きゅっと抱きしめてきた。

「忘れさせてやるよって言ったのに・・・俺の方が余計に忘れられなくなった。」

「秀・・・。」

「智香さん、俺本気だから。何があっても離れない自信があるから。好きだから、ずっと。」

「私は秀を利用することになるのよ?それでもいいの?」

「あぁ。俺が言い出した事だからね。それでも俺は智香さんが好きだから。傍にいたい。」

そう優しい言葉をかけてくれる秀に寄りかかってもいいだろうか。

こういう所から恋が始まるのもアリなのかな?

ねぇ、秀。本当に忘れさせてくれるの?あなたを利用してもいいの?

「・・・ね、この商品の保障期間はどれくらい?」

私は秀の目を見ると意地悪く笑ってみせる。

え?と一瞬戸惑いを見せるも、秀もそれに白い歯をみせて笑うと、

「もちろん、永久保障。」

「クスっ。じゃあ、契約させてもらおうかな。ただし、8日間はクーリングオフ効くのよね?

頑張って商品の良さを見せてもらわないと。」

「任せて。じゃ、契約成立ね。8日間で俺の虜にさせてみせるから。絶対後悔はさせません。」

そんなやり取りに私達は顔を見合わせて笑った。

そこで今更ながら思い出した事がある。

「あっそんな事より、あなた仕事中でしょ?こんな所で油売ってたら羽毛布団売れないわよ?」

「ん?あぁ、あれ嘘。ほんとは俺、連れとCafeの経営してるんだ。今日は外回りで直帰って

言ってきたから、もう帰んなくていいの。」

「はぁ?じゃあ、何で最初に羽毛布団いりませんか?って言ったのよ。」

「ん〜なんつうか、来たのはいいけどどうやって切り出していいものか迷ってさ。咄嗟に

出てきたのがそれ。」

秀は少しバツが悪そうにポリポリと鼻の頭をかく。

そんな仕草がかわいくて、思わず私は噴出してしまった。

「なっ、笑うなよ。これでも俺は清水の舞台から飛び降りる覚悟で来たんだからさ。」

「んな大袈裟な。」

「マジだって。このチャンスを逃せば一生手に入らないって思ったから。」

「・・・秀。」

「だからさ、ゆっくりでいいから俺の方を見てよ。この8日間で確実に向けさせる自信は

あるけどね。早速手始めに今日泊まって行くから。ゆっくり商品を味わってよ。」

「はいっ!?やっ・・・もう無理!!勘弁してよ。明日は仕事行くんだから。」

「やだね。俺がいなきゃダメになるくらい体に教え込んであげる。5年間の思いも込めて。」

そう言うと秀は優しくキスをしてくれた。

秀、今はあなたの心を利用するズルイ私だけど・・・ちゃんとあなたの方を見るから。

今は許してね。――――きっと俺の虜にさせてみせる。うん、きっとそうなる気がするから。

これって最高の誕生日プレゼントかもしれないよね。

「あ、智香さん?」

「ん?何?」

「誕生日おめでとう。今度の休み一緒にプレゼント買いに行こうね。」

                                         + + FIN + +



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