*恋は突然に…




最初は俺の事を分からない様子だったけれど、自分の名前を名乗ると、

『・・・へ?柳瀬秀って・・・あの、大学のサークルで一緒だった秀?』

驚いたような声がインターフォンから返ってきた。

その言葉だけで、俺の顔から笑みが洩れる。

・・・・・覚えててくれたんだ、俺の事。出会った頃は名前すら覚えてもらってなかったのに。

俺を家に招き入れる為に開けたドアから出した智香さんの顔は、泣き明かしたのか少し目が 赤く腫れていた。

その姿を見ただけで、抱きしめてやりたい。という衝動に駆られる。

何とかその衝動を抑えリビングまで来ると智香さんの前に立つ。

「どうしたのよ、突然。びっくりしちゃったじゃない。よく私の家がわかったわね。」

俺と分かったからか、智香さんは若干表情を和らげて俺を見上げて微笑みかけてくる。

やっぱり変わらない、智香さんの顔。

大人の女の表情をしていると思えば、今みたいに幼く可愛らしく微笑む。

俺はやっぱり智香さんが好きだ・・・5年前と変わらず。

「ごめんごめん。驚かそうと思ってさ。住所は久美さんから聞いたんだ。」

「久美に?ふぅ〜ん、そうなんだ。偶然ね、今日は私会社休んだから家にいたけど本来なら仕事で いないわよ?」

俊樹さんにフられた事を思い出したのか、少し彼女の表情が曇る。

そんな顔をするなよ・・・。

「今日・・・休みなの知ってたから。」

「・・・・・へ?」

俺がそう呟くと、驚いたような表情の智香さん。

もう俺の言葉は止まらなかった。5年間秘めてきたこの想い。

「俺、大学入った時からずっと智香さんを見てたんだ。でも彼氏とずっと仲良かったろ?だから俺の 入る隙間なんてねぇよなぁって諦めたつもりでいたんだけど、やっぱずっと心に引っかかっててさ。 智香さんが卒業した後も忘れらんなくて、久美さんに智香さんと彼氏が別れるような事があれば連絡を してほしいって頼んでたんだ。・・・で、昨日の夜中に久美さんから連絡あってさ。」

――――だからさ、俺が彼氏の事を忘れさせてあげるから。俺を買ってよ。



***** ***** ***** ***** *****




「――――私は秀を利用して彼氏を忘れろって事?」

この言葉に少し躊躇いがあった。だけど、それでもいいと思った。

きっかけはどうであれ、智香さんの近くにいられるなら・・・。

いつか俺の方に向かせる自信はあるんだ。この先どれだけ時間がかかろうとも。

半ば強引に話を進め、俺の話に戸惑いを見せる智香さんの唇を塞ぐ。

勢いに任せて奪った唇だけど・・・ヤバかった。

思いを寄せていた時間が長かっただけに、離したくなくなる。

何度も何度も角度を変えて智香さんの唇をついばむ様にキスを浴びせと、 次第に彼女の体から力が抜けていくのが分かる。

俺のキスでこうなるなら・・・・・。途端にこの先まで進めたくなる衝動に駆られる。

俺は平静さを装いながら、「忘れさせてあげる。彼氏の事・・・俺しか考えられないように。」

そんな卑怯な言葉を使い、ベッドまで運んだ彼女に再び唇を重ねた。

「嫌なら思いっきり抵抗してくれて構わないから。」

その言葉に智香さんは、戸惑いは見せても抵抗をみせずに、暫くしてから俺の背中に腕をまわす。

もう止まらないから・・・覚悟して。

そう心で呟きながら彼女の唇を塞ぎ、服を脱がす。

「ん・・・ぁっ。」

キスの合間に洩れる智香さんの甘い声に、俺の体が震える。

ずっと抱きしめたかった彼女の事。ずっと欲しかった彼女の身体。

今、その彼女が自分の腕の中にいると思うだけで、俺の身体が熱くなる。

智香さんの艶やかな肌を時々ついばみながら、舌を顎から首筋へと順に這わせていく。

丁寧に、智香さんの敏感に反応する部分を探りながら。

「・・・すげぇ綺麗な体。こんなに綺麗な肌、俺初めて。」

「や・・・もぉ恥ずかしいから見ないでよ。」

身に着けていたすべての物を取り払らってベッドに横たわる智香さんをマジマジと見つめて そう呟くと、恥ずかしさからか頬を赤く染めて、体を隠すように腕をまわす。

年上だけど、年下のようにかわいい智香さん。

思わず、かわいい。と耳元で囁きながら腕をほどき、首筋から鎖骨を伝って舌を 這わし胸の蕾までくるときゅっと吸い上げ、ころころと舌で弄ぶ。

「はっ・・・ん・・・。年下のくせに・・・かわいいとか言わないの。」

智香さんは甘い声を混じらせて、軽く俺の事を睨んでくる。

そんな、歳なんて関係ないのに。年上だろうが何だろうが、かわいいもんはかわいい。

気になるんだろうか・・・歳の事。俺は全然気にならないのに?

そんな小さな事で拗ねている智香さんに、クス。っと笑ってから、腹部を伝って下の方へと自分の 舌を這わす。

智香さんの秘部は触れてもいないのに、もう潤っているのがわかる。

甘い声を漏らす度、蜜が徐々に溢れだして来る。

俺は言葉と彼女の敏感になった部分のギリギリのラインを攻めながら、智香さんを追い立てていく。

それでもやはり触れたくて、舌を智香さんの熱くなった秘部に当て蜜を絡め取るように舐めあげる。

途端に彼女の身体がびくっと反応し、上体が仰け反る。

俺が智香さんを感じさせている。――――そう思うと自ずと口元が上がり、更に彼女を追い立てて いた。

俺は智香さんが限界に近い事を感じ取ると、敏感になったヒダと蕾にしゃぶるように舌を這わせ、吸い付く。

「っや!!あっ・・・ダメ・・・んんっ!!あぁぁぁっ!!!」

シーツを強く握り締め、一際高くなった甘い声を発すると身体を震わせて智香さんは1度目の果て を迎えた。

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