*恋のちから










♡ final answer ♡



――――麗香!

和希は去って行こうとする麗香の腕を取り、そのまま引きつれ自宅へと入った。

リビングまで来ると、麗香の華奢な体を抱きしめる。

「・・・・・和希さん?」

「クソッ。何で俺がこんな小娘に・・・・・惚れちまったってか。」

悔しすぎんだろ。こんなクソ生意気な高校生に・・・年上にしか興味がなかったこの俺が。

「えっ?何・・・何て言ったの、今。」

「乳臭せぇガキって言ったんだよ。」

「いやんっ。違うでしょ?ちゃんと言ってよ。」

「あぁっもぅチクショウっ。負けた・・・負けましたっ。お前に惚れたよっ。」

「ぃやったあぁぁぁぁ!!」

和希の腕の中で飛び上がって喜ぶ麗香。

「おまっ・・・さっきまで泣いてたんじゃ・・・。」

「恋する乙女は時には女優になれちゃうもんなのっ。」

「はぁぁ?」

「クスクスっ。私の最終手段・・・ザ、女の涙。」

麗香は悪戯っぽくニコッと笑うと、ぺろっと少し舌を出す。

・・・・・コイツ。

と、言う事は。今までのも全部作戦の内だったって事か!?

今更ながらに気付き、改めて自分の愚かさに落胆のため息が口から漏れる。

ハメられた・・・。

「てめぇ、ハメやがったな。」

「何を人聞きの悪い事をっ。これだって常套手段じゃない。」

「常套手段って・・・卑怯なマネをしやがって。」

「それでもいいのっ!和希さんが私の事を好きになってくれたんだから♪」

「やっぱやめようかな・・・。」

「うわっ、うそっ・・・やだやだ折角頑張ったのにぃ。」

和希は一旦麗香の体から離れると、はぁ。とため息を付きリビングのソファに座り込む。

俺だって色んな恋を経験してきたつもりだぞ。なのに、よりによって高校生如きにしかもこんな 初歩的な作戦にハマッちまうなんてよ・・・情けねぇ。

「あぁぁぁ。何でこんなクソ生意気なガキに・・・・・。」

「あのねぇ、さっきから生意気なガキだの乳臭いガキだのって人をガキガキって子ども扱いしてぇ。 私だってこの春から女子大生なんだよ?立派な大人の女なんだからっ!!」

「はんっ。俺から言わせればまだまだガキだ。」

「そのガキの恋の力に負けたのはどこのどなたでしょう?」

「・・・・・・・・・っせぇ。」

ぶすっとした表情で天井を見上げる和希に、麗香はクスッと笑いながら彼の元まで歩み寄ると そのままソファに上がり彼を跨ぐ形で腰を下ろすと、彼の首に腕をまわす。

「たかが女子高生の与太話だと思って軽く見てるから悪いのよ?言ったでしょ。恋する乙女を侮らない でって。恋のパワーは偉大なんだからっ。」

「クソ食らえ。」

「もうっ。素直に認めなさいよ。大人気ないわね。ま、そんな事言っていられるのも今のうち。 和希さんがどれだけ私にハマったか、これからたっぷり思い知らせてあ・げ・る♪」

「お前ねぇ・・・・・。」

「ん〜?なぁに?」

「はぁ・・・何でもねぇよ。」

恐れ入ったよ、恋する乙女の恋の力。

思い知らされなくても、十分思い知ったさ・・・この先どんどんお前の虜になっていくって事を。

俺はこの先どれだけコイツに振り回されるんだろう・・・。そんな和希の心配を知ってか知らずか。 麗香はふふっと笑みを漏らすと、目の前の和希の唇に自分の唇を重ねた。


――――ね、だから言ったでしょ?恋する乙女に『不可能』なんて言葉ないんだって。


+ + 『恋の力』 Fin + +


これでは物足りないって方に(笑)→ 《らぶ☆えっちのおまけ》



+ + + あとがき + + +


はじめまして。の方も、またまたお目にかかれた方も、最後まで読んでいただき本当に有難う

ございます。いやぁ、何ですかね。今回は女子高生が大人の男性を手玉に取る?(笑)お話に

なっちゃいましたぁ^_^;たははっ。怖いですね、恋する乙女のラブ☆パワー♪(おいおいっ)

恋愛のプロセスにおいて、一番楽しめる時期って実は付き合うまでの駆け引きにあるんじゃな

いかって思ったりしちゃいます(笑)相手がこう来たから、じゃあこう出ればこうくるかな?

みたいな(*^_^*)今回のお話では単純明快な駆け引き(?)でしたが(かっ駆け引きなのか?)

みなさんもそのような恋愛を楽しんでおられますか?

今回はこのようにまとめてみましたが、お楽しみいただけたでしょうか・・・。

ツッコミ所満載ですが(苦笑)その辺は大目に見ていただいて・・・^_^;

ではでは、次回もお目にかかれることを期待して。

神 楽 (H16.10.7)






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