*君の あなたの 微笑に お土産屋さんで色々買い込んで、先生とお揃いの携帯ストラップまで買えた私はウキウキ気分で車に乗り込み、彼の運転で海へと向かう。 お土産街を結構満喫していたら、お昼をまわっていたからそこでお昼も済ませちゃったんだけど・・・ちょっと食べ過ぎたかな。 海へ向かう車の中で、小さく、げふっ。と漏らしながらシートにもたれて到着を待つ。 たどり着いた海辺には9月と言うだけあってさすがに海水浴客はいないものの、サーフィンを楽しむ人や私達みたいに海辺の散歩を楽しむ人達が結構いた。 私も先生と手を繋ぎながら海辺を散歩し、彼とのたわいない会話を楽しむ。 「ねぇ、先生。来年は一緒に泳ぎに来れるかなぁ?」 「うん、もちろん。あ、千鶴は泳げるの?」 「わっ!ひっどーい。こう見えても体育の成績は5段階中いっつも4だよ?なめてもらっちゃ困りますー。」 「クスクス。そうなんだ。じゃぁ、来年は千鶴の水着姿見れるわけだ?」 「あぁ、なんか先生えっちぃ。今、私の水着姿想像したでしょ?」 「うん。千鶴だったらどんな水着かなぁって。やっぱりスクール水着?」 クスクス。と笑いながら私を見てくる先生をギロッ。と睨みつけて頬を膨らませる。 「スクール水着なんて着ないもん!ビキニだよ、ビキニ。先生、鼻血出ちゃうね。」 「あぁ。鼻血出る前に千鶴の事襲っちゃうかもー。」 「なっ?!先生のえっちぃ!!!」 「あはははっ。じょーだん、冗談。」 ・・・半分冗談に聞こえませんが? もぅ、先生ってば何考えてるのよ。・・・って言っても、先生の誕生日に初めて一つになれたけど、それから一度もないんだよね。 今日とか・・・・・って、わっ!私ったら何を考えてるんだっ!! 頭の中で一人突っ込みをしていると、先生が不思議そうな顔で私を覗き込んでくる。 「・・・千鶴?」 「んっ!・・ん?」 「何か考え事?」 「なっ・・なはははっ。別に何も考えてないよ?」 ・・・そうそう、変な事は考えてませんよ? 「あー。タオル持って来ればよかったぁ。」 海辺を2人で歩きながら、そうぼそっと呟くと、先生がその声に振り返る。 「ん、どうして?」 「タオル持って来てたら足だけでも海に入れたのになぁ、って思って。」 「普通のタオルだったら車に積んできたから、足だけだったら大丈夫だよ。」 「ほんとに?」 「クスクス。うん。」 私はそれに、にぱっ。と顔をほころばせて、じゃぁ早速。と言葉を漏らしミュールを脱ぐ。 Gパンを膝の上まで捲り上げて海へ進むと、先生も同じような格好で私に続く。 「わぁっ!冷たいー・・って、ぬるいー。」 「あははっ。そりゃ、まだこの気候だからね。しかも浅瀬だし。」 「んー。でも、磯の香りもするし・・・海だなぁって感じだね。」 「クスクス。そうだね。」 パシャッパシャッ。と水面をつま先で弾きながら、ふと再び私の中に小さな悪戯心が芽生える。 ・・・・・この天気だし。ちょっとくらいなら・・・ 私はくるっと体の向きを先生の方へ向けると、えぃっ。と足先で彼に向かって水面を蹴る。 「わっ!千鶴、何するのっ!!」 弾かれた水滴が先生のズボンにかかり、点々と彼のズボンに模様を描く。 「あはははっ!これぐらい平気だって、天気もいいからすぐに乾いちゃうよ?」 「ふーん、そういう事を言う?」 「んふふっ?」 先生は、やったな。とでも言いたそうな顔で私を軽く睨むと、ニッ。と口元を上げる。 ・・・・・嫌な予感がする。 私はすぐに先生に背を向け逃げ腰になると、いきなりバシャッ。と頭の上から水が降りかかってくる。 「わぁぁっ!ちょっ・・先生、ひどーい。私は足元だけだったのに、頭の上からかけるなんて!!」 「そんなに濡れてないでしょ?それぐらい平気。すぐに乾いちゃうよ?」 「あ、そういう事言うんだ?ふーん、すぐに乾いちゃうんだよね?」 「・・・・・千鶴さん?」 今度は先生の方が嫌な予感を察知する。 私は、ふっ。と意地悪く笑みを浮かべてから、前にかがむと両手いっぱいに水を掬う。 「わっ!ちょっ・・・タンマッ!!それはまずいって・・・うゎっ!!」 先生の制止の声も聞かずに、やぁっ!とそれを先生めがけてぶちまける。 ――――もう、こうなったら誰も2人を止められない。 私達はずぶ濡れになるのも構わずに、思いっきり水をかけ合いまくる。 ――――数分後。 「・・・・・千鶴、やりすぎ。」 「・・・・・先生だって。やーもー、べとべとして気持ち悪いー。」 「これじゃぁ中々乾きそうにないな。」 お互い幽霊のように手をぶらぶらさせながら苦笑を漏らす。 「お風呂入りたいー。」 「お風呂って・・・。」 「ねぇ、先生。どこかでお風呂に入れる所ある?服も乾かしたいし。」 「んー・・お風呂かぁ。ちょっと探してみようか?」 「うんうん、みよう!」 私達は微笑み合うと、手を繋ぎ車まで戻る事にした。 |