*Love Game「やっ…ちょっ…んぁっ…」 「はぁっ…やっぱりっ…すごいねぇ…おねーさんの中っ…想像以上。普通の男なら…完璧堕ちるっ…ね」 彼はあたしの頭の両脇に手をついて、様子を伺うようにニヤリとした笑みを浮かべて見下ろしながら、ゆっくりと出入りを繰り返す。 「なっ…によ…」 その言い方…まるで自分は人並みとは違うみたいな言い方をして。 「この武器で…何人の男が堕ちたのかな」 「そんなのっ…数えてないわよ…ぁんっ!」 「へぇ…さすが悪女…言う事が違うね?」 「あんたねぇ!」 さっきから人の事を悪女悪女って人聞きの悪い。 まるであたしが男をたぶらかしてるって決め付けてるような言い方。 確かに。一度体を重ねたら、「付き合ってくれ」と何度もしつこいくらいに言い寄ってくる男は沢山いたわ。 だけど答えはいつも「NO」 愛だの恋だの、誰か一人の男に縛られるのなんて真っ平ごめんよ。 どうせ、どれだけ「愛してる」と囁こうが、いつかは去って行くんだから…『愛』なんてものは永遠に続くわけじゃない。 それを幼い頃から目の当たりにしてきたあたしにはよく分かってる。 だからあたしには特定の人間なんていない。誰一人として。 最初からあたしに気持ちがないのを知っていて抱くくせに、抱いた後は気持ちまで欲しいと要求してくる。 あたしは断固として拒否ってるのに、それでも尚言い寄ってきて諦めない男達。それをたぶらかしてると言うのなら、それは気持ちを整理できない男たちが悪いんでしょう? あたしは悪くない…男がバカなだけ。 「さっきから知った風な口利かないでよっ。あんたに何がわかるの?あたしの何がわかるのよ」 「クスクス。そんな目くじら立てて怒らないでよ…そう感じたから言ったまでだけど?…違うんだ?」 「違うわよっ…んっ!」 「ふぅん。女なんて所詮そういう生き物だって思ってるけどね?」 彼はボソっとそんな事を呟きながら、また違った角度を攻めてくる。 コイツ、何か暗い過去でも持ってるのかしら。 女に捨てられたとか、騙されたとか? 少し彼の言い方に引っかかりを覚えたけれど、あたしには関係のない事だと気付き、頭に過ったものを取っ払う。 あたしにはその場が楽しければそれでいいのよ。 今回はこんなクソ生意気なガキの相手でハズレだったけれど。 それに、しても… さっきから色んな場所を突いてくるくせに、それが全てニアミスで微妙な刺激。 自分のポイントへと導こうと腰の位置をずらしても、また器用に外される。 コイツ…ワザと? いや…買い被りすぎてるわね。さっき指でイカされそうになったから、麻痺ってるのよ。 所詮は高校生のガキ、実力の程はこんなモノよね。 そう思ってた時だった… 「……そろそろイキたくなった?腰がいやらしいくらいに動いてるんだけど」 「なっ…」 「そんなに簡単にイカせてあげないよ?ボクがまだだからね。でも、ホントおねーさんはすごいなぁ。今までに感じた事がないくらい締りもいいし居心地もいい…ねぇ、おねーさんに溺れそう…って言ったらどうする?」 少し意味ありげな含み笑いをしながら、耳元で吐息混じりにそう囁かれ、ニンマリと自分の口角が上がる。 ――――おねーさんに溺れそう 言わせてやった…クソ生意気なガキに。 今こそ、そのたっぷりな自信を根こそぎ奪う絶好のチャンス。 あたしのポイントも攻められないガキが、あたしに向かって溺れそうだなんて10万年早いっつうの。 「はんっ…勝手に溺れてれば?ポイントも分からないガキが生意気な事言ってんじゃないわよっ」 …ちょっと言い方が優しすぎたかしら。 でも、いくら女に慣れてるからって言っても高校生には結構な打撃よね? 自分の技術を否定されたわけだから? コイツ…どういう反応するかしら。 しょげちゃう?それともムキになって無我夢中で腰を振ってくるかしら? 様子を伺うように彼を下から見上げると、彼は予想に反して表情を変える事無く…いや、逆に勝ち誇ったかのような表情で見下ろしてきた。 「クスクス。溺れそうって言ったらどうする?って言っただけで、溺れるとは誰も言ってないけどね?おねーさんて自意識過剰なんだ」 むっ…ムカツクーーーっ!!! なんだかとてつもなく恥ずかしくなってきて、頬が赤くなってるんじゃないかって不安になる。 「ポイントも分からないガキだって?心外だなぁ…さっきも言ったよね?まだイカせてあげないよ、って。ボクがワザと外してるって分からないんだ…経験豊富なおねーさんなのにね?」 うるさい…うるさい、うるさい!! 「ポイントは確実に押さえられるよ?でも、おねーさんももうちょっと楽しみたいでしょ?それともあれかな…もう天国へ行きたい気分?」 「で、できるもんならやってみなさいよ!」 「え〜…ボクはもうちょっとこの中を楽しみたいんだけどなぁ。ん〜、じゃあ一回目は手加減してあげようかな。覚悟してね?すぐにイっちゃうよ?」 そう言ってニヤリと口の端を上げると体勢を整えてからあたしの膝を持って大きく押し広げると、先ほどとは違った角度で律動を送り始める。 角度を変えれば変えるほど、的確に押さえてくるあたしの弱い部分。 途端に大きな痺れが身体全体を走りぬけ、今までに味わった事がない快感の波があたしを襲いはじめる。 なに…コレ。 こんなの知らない…悔しいけど… ――――意識がぶっ飛びそう 「いやっ…あっ…あぁぁんっ…」 「くっ…ほらっ…さっきよりも締め付けてきたよっ…蜜も溢れて潮吹いてる…そんなに気持ちいい?おねーさんっ…あ〜、もうイッちゃいそうで聞こえてないかな?」 「いやっ…いやっ…あぁんっ…あぁぁあんっ!!」 クスクス、という彼の笑い声を聞きながら、あたしは彼の宣言通り、あっけないくらいすぐに果ててしまった。 しかも半分意識を飛ばして。 |