*Love Game





ぶらぶらと暫く歩いて、洒落たラブホテルに入ると、彼は手馴れた様子で部屋を選んで奥へ進んで行く。

それを隣りで眺めながら、あたしは彼の後についていった。



「ねぇ…あなたいつもこういう遊びをしてるわけ?」

部屋に入るなり後ろから抱きしめられて首筋に彼の唇の感触を受けながら、あたしは何となくそう聞いてみる。

「まあね。軽く運動が出来て欲望も吐き出せるわけだし?一石二鳥って感じ」

彼の方もあたしの身体に唇を這わせながら器用に服を脱がせ、何となしにそう返事を返してくる。

「ふーん。こんな遊びをしていたら、あなたの彼女がうるさいんじゃないの?浮気しないでよ、とか何とか言われて」

「ボクには彼女なんていないよ。そんな存在、鬱陶しいだけだから」

「でも、周りの子が放っておかないでしょう?あなたぐらいの子ならば特に」

「なに、おねーさんはボクに興味を持ってくれたとか?」


身に付けているものを全て取り払われて、彼の前に裸体をさらしながらあたしは、ふっと鼻先で小さく笑う。


「まさか。お子様になんて興味ないわ」

「だよね。だったら余計なおしゃべりはやめようよ。時間の無駄だから」

「あなたってホント、可愛げのないボーヤよね」


皮肉たっぷりに言ってやると、彼はクス。と小さく笑って、あたしの身体を唇と舌を使って愛撫しはじめる。



「んっ…ぁっ」


彼からの愛撫を受けながら、次第に自分の口から甘い声が漏れ始めた。



……さすが。遊んでるだけの事はあるみたい。

いつもなら演技しながら出す声も、自然に出て来ちゃうし。

悔しいけれど、この子が自信過剰なだけじゃないみたいね。

今夜は少しだけ、楽しい夜を過ごせるかしら?


立ったまま与えられる刺激に、時折小刻みに体を震わせて、あたしは自然に目を閉じて快楽を楽しんでいた。



「おねーさん、結構色っぽい声出すよね。そそられるよ…やっぱ美人だと声にも艶が出てくるんだ?クスクス…それで何人の男を騙したの?」

「んっ…失礼ね。騙しただなんて人聞きの悪い事言わないでよ。あたしはただ、求められたから与えてやっただけよ…天国のような空間をね?それでいい夢見られたんだから、文句言われる筋合いはないわ」

「へぇ〜。自分は気持ちいいだなんて思ってないクセに、よがってるように見せて男をたぶらかしてそうだけどね?おねーさんって悪女っぽいし」

「はんっ…んっ…何とでも言えば?それで一晩に何度もイカせてあげてるんだから…男としては本望でしょ?あたしを喜ばせるテクも持ってない男に気を使って演技してあげてるんだから…んっ!!」

「クスクス。どうしてそこまでして色んな男とヤるの?」


どうして…

そんなこと考えたこともなかった。

というか。考える必要もないじゃない。


「別にっ…意味なんてないわ。たまにアタリの日だってあるし…あたしが楽しいって思えればそれでいいのよ」

「ぶーん。じゃあ、今日はボクがおねーさんを天国へ連れてってあげようか?今までに見たこともないような天国をさ。きっと、今まで以上に楽しめると思うよ?」

「………生意気っ」


少年から男へと変わった表情を見せつけて、一気にあたしの中へ指を押し進めくると、少し強引に中をかき回される。

次第に滴り始めるあたしの熱い蜜。

確実に彼はあたしの弱い部分を探り当ててきて、執拗にそこを攻め立てて更に奥から蜜を掻き出してくる。



「ねぇ…すごい出てくるんだけど?おねーさんの美味しそうな蜜。どれくらい溢れ出すのかもう少し弄ってあげようか?」

「バ…カっ…んぁっ!…生意気な事言ってんじゃないっ…わよ」

「クスっ。中が痙攣してきたけど…感じてるの?強がってないで、素直に悦んだら?可愛くないよ、そういうの」



む…ムカツク。

なんなの、この子。



そう思ってはみたものの、自分の体の方が正直だったようで、彼が言うようにプルプルっと中と連動するように内腿が少し痙攣し始めている。



悔しい…こんな高校生相手にあたしが先にイカされるだなんて。



悔しくてたまらなくて、唇をギュッと噛み締めて、まだ服も脱いでいない状態の彼を睨みながら必死で耐えていた。


「結構強情だね、おねーさん。あ〜、指1本じゃ物足りなかった?じゃあ、増やしてあげようか。でも、おねーさんて結構遊んでる割には中が締まってるよね。指を増やしたら即行でイっちゃうよ?」


まだ少しあどけなさの残る少年の顔の造りを持ちつつ、妖艶な微笑を浮かべる彼。

彼は真っ直ぐにあたしの視線を捉えてニヤリとした笑みを浮かべると、更に指を2本も増やして一気に中を攻めてくる。


「んぁっ!!」


もう、悔しいだなんて言ってられなかった。

今までに感じた事のない痺れが全身を襲い、見えているハズの彼の顔が霞んでくる。

あたしは支えがないと立っていられなくなって、無意識に彼の首に腕をまわすとしがみ付くように腕に力を入れた。



――――もうすぐ目の前がスパークする



その直前に、私の中で蠢いていた指がスッと離れて、変わりに意地悪く掠れた声が耳に届く。



「……イカせて欲しかった?」


な…に。


「あなたって…ホント、性格悪いわよね」

「あははっ!そう?褒め言葉として貰っとくよ」



肩で息をしながら、本当にコイツは高校生なんだろうか、と、おかしそうに笑う彼を見ながらそう思う。

彼は首にまわされたあたしの腕を軽く解いて離れると、さっさと自分の身につけているものを脱ぎ捨てる。

露になる肉体美。

さすが10代の身体…ハリがあって艶やかで、程よくしまった筋肉が妙に色っぽさを感じさせる。

彼は肉体を曝け出すと、また体の距離を縮めてきて、一通りあたしの体に唇を這わせて体を熱くしていく。



「今度はボクのを舐めてよ」



再びあたしの口から甘い声が漏れだした頃、彼はそっと唇を離してそう囁いてくる。

その言葉を待ってましたと言わんばかりにあたしの口元があがる。



あなたも嘗めてかかってると思うけど、後悔するわよ?

先ほどあたしが感じた屈辱感を味わわせてあげるわ。

反撃開始。



その性格からして、先にイカされるのはあなたも耐えられないんじゃない?




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