*Love Fight






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大成君は修吾君から彼の事を気に入っていると言う子の名前を聞くと、上機嫌で、俺もあの子 かわいいなぁって思ってたんだよね。と満面の笑みを浮かべる。

何なんでしょう・・・この変わりよう。

私は開いた口が暫く塞がらなかった。

ただ単に、大成君は・・・・・女好き?

大成君は『遊び人』って呼ばれて悔しがってたけど、火の無いところに煙は立たないって事ですね。

私は一つため息を付き、修吾君を見あげる。

彼もまた呆れたような表情で大成君を見てから、私に向かって微笑みかける。

「もう帰ろうか、美菜。」

「うん、帰りたい。」

私の言葉に、うん。と頷くと、未だに締まりの無い表情を浮かべる大成君に向かって呟く。

「大成、俺ら帰るわ。」

「お?おぉ。気ぃ付けて帰れよ〜。っつうか・・その・・美菜、ごめんな。悲しい思いさせて。 もう邪魔しないから。」

「あ・・・うん。」

「美菜には謝って、俺には謝らないのかよ。」

「何で修吾に謝んなくちゃなんねえのよ・・・ま、とりあえずお2人さん仲良くなって事で。」

「・・・・・・何だよそれ。」

「いいじゃねぇかよ、それでっ!とっとと失せろっ!!」

大成君は少し頬を染めて、ちょいちょいっ。と、私達を追い出すように手の甲を動かす。

彼なりの修吾君に対する『ごめんね。』って事なのかな?

私と修吾君はお互いに顔を見合わせて、クスクス。と笑い合うと、一旦店に戻り荷物を持って 店を後にした。

帰り際、祥子さんの苦虫を潰したような表情が視界に残る。

そう言えば・・・修吾君と祥子さん、チューしちゃったのかな・・・。



***** ***** ***** ***** *****




修吾君の家に辿り着くと、真っ暗な家の中を通って彼の部屋に入る。

どうやら修吾君のご両親はもう寝ちゃってるみたい。

時計を見ると、もう夜中の1時をまわっている。

普段ならもうベッドに入って眠っている時間。

なのに今日はいろいろあったせいか、目が冴えてしまっている。

ベッドの脇に荷物を置いた所で後ろから修吾君に抱きしめられる。

「えっ!やっ!!しっ修吾君?!」

突然抱きしめられてたじろぐ私の顔を自分の方に向かせると、ゆっくりと唇を塞がれた。

柔らかい修吾君の唇の感触が私の唇に伝わる。

ついばむようなキスを何度もされて、次第に私の頭がぼぅっとなってくる。

最後にちゅっ。と音を立ててから唇を離すと、私の耳元で修吾君が囁く。

「美菜・・・一緒にお風呂入ろっか。」

「うぇっ・・えぇっ!えぇぇぇっ!!!」

「クスクス。そんなに大声だしたら親が起きるでしょ?」

真っ赤になりながら、修吾君の言葉に、ごめんなさい。と小さく囁く。

でもっでもぉ。いい一緒にお風呂だなんてっ・・・そそそんな事突然言われましてもですね。

「お風呂には入浴剤入れておくから入ってしまえば見えないし、先に美菜が入って体とか洗って 湯船に浸かってる時に俺が入れば美菜は恥ずかしくないでしょ?」

「・・・・・うぅ。」

「それとも俺と一緒にお風呂入るの嫌なの?」

そっそんなっ!嫌な訳ないじゃないですかっ!!

私は後ろから抱きしめられたまま、ぶんぶん。と首を左右に振る。

「でも、修吾君のお父さんとかお母さんが起きてきたら?」

「うちの親は一回寝てしまったら朝まで起きないからね、大丈夫だよ。それに美菜が泊まりに来る って言ってあるから大丈夫。」

大丈夫。その言葉の意味がよく分かりませんが・・・私は修吾君に連れられて洗面所へと 向かう事になっちゃった。

洗面所に入ると、修吾君は手際よくお風呂の準備をし始める。

保温で設定されているみたいで、浴槽の蓋を開けると湯気がふわっと浴室に広がった。

「入浴剤は何でもいい?」

「あ、うん。何でもいいよ?」

「じゃぁ、温泉に行った気分でこれにしようか。」

そう言って微笑みながら、取り出した入浴剤の袋を開けて湯船に落とす。

途端に乳白色に変わるお湯。香りもよくて思わず、すぅ。っと息を吸ってしまう。

それを見ながら修吾君が、いつか本当に温泉に行こうね。と呟く。

修吾君と旅行かぁ。・・・むふふ。いいなぁ。・・・って怖いってば美菜。

一瞬惚けた顔を引き締めると、うん、行きたいね。と笑って返す。

ほんと、いつか修吾君と一緒に旅行行けたらいいな。

「じゃあ、美菜が先に入って。15分くらいしたら入ったらいいかな?」

「うっうん。そんなに時間かからないと思う・・・けど。」

「ん。じゃぁ入る前に声かけるね。」

「はい。」

修吾君は私に微笑んで見せてから、じゃ、後でね。と言葉を残して洗面所を出て行く。

・・・・・うんにゃぁ〜。きっ緊張してきましたよ。

何だかいつも、上手く押し切られてるような気がするのですが・・・。

修吾君の『俺と・・・するのが嫌なの?』って言葉に弱い。

あれを言われると、ううん。と条件反射のように首を横に振ってしまう自分。

まさか、それに気が付いてていいように使われているんじゃ・・・。

でも今はこんな事を考えている場合ではないのです!!

早く入って体を洗ったりしなければ修吾君が入って来てしまうぅ。

急いで着ていた服を脱ぐと、きちんとたたんでから棚に置きタオルを掴んで浴室へと入る。

体をちゃんと洗えてるんだか洗えていないんだか分からないぐらいの猛スピードで自分の 体を洗い上げると、今度は鼻に小指が突っ込んでもお構いなしに顔を洗う。

わっ私ってば、こんなに急いで洗わなくても充分時間があるんじゃないの?

自分で自分にツッコみたくなる。

とりあえず一通り洗い終わると、ふぅ。と一呼吸置いてから髪の毛を持ってきたクリップで 留める。

よし、後は修吾君を待つのみ・・・・・。

何を固くなってるのでしょうか、私は。

一人で頬を赤く染めながらため息を付くと、お湯を一旦外でかぶり湯船に体を沈める。

あぁ。やっぱりお風呂はいいなぁ。気持ちまで温まる。

ん〜。と湯船の中で伸びをしてから、ちゃぽん。とお湯を指で弾く。

美菜、そろそろいい?と、ドアの外から修吾君の声が聞こえたのはそれから程なくしてからだった。



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