*Love Fight 「美菜・・・ちょっと動いてもいい?」 「はっはい?!」 うっ動くとな・・・これで終りではないんですよね。やっぱり。 私が小さく頷くと、長瀬君はゆっくりと動きだす。 途端に襲われる圧迫感の波――――私はそれに耐えるのに必死だった。 だってだって・・・気を抜いたら・・・・・・。 それでも暫くすると圧迫感とは別の感覚が生まれてくる。 「んっ!あっ・・・やっ・・・あんっ!!」 「美菜っ・・・すごく気持ちいいよ。」 耳元で囁かれる彼の声と、送られてくる感覚に次第に意識がそこに集中する。 なに・・・何、この感覚!?・・・すごく・・・脳の裏側が刺激されてるよ。 徐々に早くなる長瀬君の動きに翻弄されながら、自然と彼の背中にまわす腕に力が入る。 「ダメッ・・・やっ・・・あぁ!」 「ごめんっ美菜・・・ちょっと・・・もう・・・優しくできない・・・かも。」 「んっ!!あぁぁっ・・・んぁ!!」 そう囁かれても私の口からは甘い声しか出てこなくて。 長瀬君は私の頭の両脇に肘を付くと、好きだよ、美菜。と囁いて唇を塞ぐ。 それと同時に激しく揺さぶられる私の身体――――も・・・ダメ。意識が遠くなっていく。 「んんんんんっ!!」 「んっ・・・ぁ。」 私が長瀬君の背中にまわした手に力が入ると同時に、それまで激しく揺さぶっていた彼の身体が 止まる。 「は・・・・ぁ。」 長瀬君は色っぽい声を漏らしてから、再び私の唇を塞ぎゆっくりと唇を離す。 「・・・・・大丈夫、美菜?」 「う・・・ん。大丈夫・・・です。」 「そっか、よかった。これからもずっと好きだからね・・・美菜。」 「ん。私も大好き。」 彼は一旦私の体から離れると、ティッシュで中心部分を綺麗にしてくれた。 ちょっとだけ血が出てたらしくそれを見て長瀬君が、ごめんね。と呟く。 ううん。謝らなくってもいいのに・・・そこまで痛くなかったし・・・それに幸せだもん、私。 覚悟を決めてよかった。 再び私の隣りに寝転がり、抱きしめてくる長瀬君にそっと囁く。 「長瀬君・・・私、今すっごく幸せ。初めてが長瀬君でよかった・・・覚悟してよかった。」 「俺もすごく幸せ。ずっとずっとこうしたかったけど、美菜を壊しそうで怖かった・・・でも、よかった ・・・やっと・・・美菜は俺のモノ。」 「クスクス、うん。嬉しい。」 私が微笑むと、長瀬君も同じように微笑んで、ちゅっと軽くキスをする。 「・・・・・このまま寝よっか?」 「えぇ。このままで?」 「うん。まだ美菜の肌の温もりを感じてたい。」 そう言ってくれる長瀬君に私はきゅっと抱きつくと、うん。と頷いて顔を彼の胸にうずめる。 長瀬君も抱きしめている腕に力を入れる。――――トクン、トクンと長瀬君の鼓動が耳に伝わって きてすごく安心できた。 肌から伝わる彼の温もりと、耳から伝わる鼓動の音を感じながら私は瞳を閉じた。 私が私でなくなった日・・・・・私が生まれ変わった日。 長瀬君でよかった――――大好きな彼と・・・私はずっと忘れない。この日をずっと・・・・・・。 + + Fin + +
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