*恋するオモチャ






「何って・・・今、いづみちゃんが考えた事。」

「えっえぇっ?!ちょっちょっと待ってよ。ここ学校だよ?家ならまだしも何考えてるのよっ!やだっ、えっちっ!スケベっ!!変態ぃぃっっ!!!」

突然そんな・・・心の準備ってものがあるんだから。それに、「学校」という場所でそんなふしだらなマネはできません。声だって聞こえちゃうし、見られでもしたら・・・

って、冷静に頭の中で何考えてんのよ私ったら!

徐々に近寄ってくる戸田君の顔に平行して徐々に自分の顔を後ろに引きながら、真っ赤に頬を染め上げる。

それを見た戸田君は口の端を上げて、ニヤリと笑いながら意地悪く囁く。

「へぇ。いづみちゃんてばそんな事考えてんだ・・・えっちぃ。」

「なっなっ何でよっ!いぃ今、あなたが『襲いたくなってきた』って言ったんじゃない。」

「え〜?俺の『襲う』って言うのは抱きしめてチューする事なんだけどなぁ。へぇ〜、いづみちゃんはそうなんだぁ。ふ〜ん、いっづみちゃんは俺とエッチしたいんだ?」

「そっそんな事一言も言ってないぃっ!なによなによっ。人の事からかって遊ばないでよっ!!」

こっこのヤロー・・・ひとの事弄って楽しんでるっ!!

さっきの、ちょっぴり拗ねたような可愛い顔はどこ行ったのよぉ。

最大限体を後ろに仰け反らせて最大限真っ赤に染め上がった私の顔を見て、戸田君はおかしそうに声を立てて笑う。

「あははははっ。いっづみちゃん、可愛いぃ〜♪照れちゃってぇ・・・何々、『ここ学校だよ?家ならまだしも』って言うって事は家ならいづみちゃんとエッチしてもいいわけだ?クスクス。いい事聞いたっ!じゃぁ早速今日の帰り、いづみちゃん家に行こうっと♪」

「ちょっと、人の揚げ足取らないでっ!何もそんな意味で言ったんじゃないもん。」

「じゃぁどういう意味?」

「そっそれは・・・・・・その・・・。」

「はい、ブ〜。時間切れぇ・・・いづみちゃんの負け。素直に俺に抱かれたいって言えばいいのに。」

「なっ何よぉっ!年下の癖に生意気な事言わないでっ。抱かれたいだなんて、どうして私が受身なのよ・・・私があなたを抱くって言うのならまだしも・・・。」

・・・って、いや、違うっ!何言ってんのよ、私ってばぁー。

咄嗟に出た自分の言葉を、慌てて引っ込めようにも引っ込みがつかず、あたふたと目を泳がせていると、さらに戸田君が私に追い討ちをかけてくる。

「クスクス。へぇ〜。いづみちゃんが俺を抱いてくれるんだ。さぁっすが22歳、年上の女だよな?俺、いづみちゃんに抱かれてぇ・・・ねえ、抱いてよいづみちゃん♪」

だーかーらー。違うんだってばぁ・・・どうしてこんな話の流れになってんのよぉ。

「もぅっ。知らないっ!戸田君のバカっ!!」




「――――・・いづみちゃん、いつまで怒ってんのさぁ。」

いつまででもだっ。

私は昼食の一件以来、ずっと頬を膨らましたまま放課後を迎えた。

「話しかけてこないでクダサイ。」

「あ〜もぅ、昼のは冗談だろ?あまりにもいづみちゃんの反応が可愛かったから、ちょっとからかっただけだって。ねぇ、許して?」

「嫌。」

即行で返事を返すと、ぷぃっ。と顔を背けてから自分一人スタスタと帰り道を歩き始める。

それを後ろから軽快な足取りで付いてくる彼。

・・・この子、ぜんっ然反省してなくない?

「い〜づ〜み〜ちゃんっ?」

そんな可愛らしく言ってもダメなんだからね。

「ウルサイ。」

「可愛いいづみちゃん?」

そんな、おだてたって機嫌は直りません。

「可愛くないです。」

「ちぃっこくて可愛い、いづみちゃん?」

喧嘩売ってるのか、このヤロー。

「せっ背の事を言わないでよっ!!」

「俺のだ〜い好きな、いづみちゃん?」

・・・ぅっ。そう来られると・・・

「・・・・・・・・・んもぅっ、何よっ!・・っっ!!」

振り向いた瞬間、肩を抱き寄せられて唇を塞がれる。

・・・ずるい、こんなやり方。

彼は少しだけ唇を離すと、直った?って囁いてくる。

「・・・・・直りません。」

「クスクス。そっかぁ、残念。じゃぁ直るまでしないとね。」

「やっ・・ダメよ。こんな道の真ん中で・・・いくら人通りが少ないとは言え、誰かに見られたらどうするのよ。」

「別に?人の目なんて気にしないから。それよりもいづみちゃんの機嫌を直さなきゃだもんねぇ?」

そう言うと、目を細めて笑い、啄ばむようなキスを繰り返し、徐々に私の思考を犯して行く。

「ダメっ・・・だって。んっ・・・誰かに・・・見られちゃう。」

「機嫌は・・・直った?」

「はっぅん・・・んっ・・・直った・・・だから、キスっ・・やめてっ。」

「ちょっと無理・・・離したくないもん、俺。」

戸田君は肩に回した腕に力を入れると、より私を引き寄せてキスを深くしてきた。

舌先に触れる彼の舌先・・・徐々に奥へ進み口内を蠢く。

それを感じるだけでも頭の先からピリピリっとした痺れが足の先まで通り抜けて行った。

暫くそれに酔いしれるも、今の状況に我に返り、彼の胸をぐいっ。と押す。

だけどそんなのじゃ全く、ピクリ。とも動かない。

「と・・だ君。ほんと・・こんな所じゃダメっ・・・ね、お願い・・・戸田君?」

「じゃぁ・・いづみちゃんの家・・・連れてってくれる?」

「んっ・・・うん・・・だから・・・お願い。」

戸田君はすぐに唇を離すと、やたっ!じゃ、行こっか。と、に〜っこり。と満面の笑みを浮かべる。

・・・・・しまった・・・やられた。



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