あの娘にストライク

 

 

今日は合コン。
サークル仲間である村上に強引に誘われ、俺も参加する羽目になった。

俺は合コンが嫌いだ。

知り合いになる場としては悪くはないだろうが、そんな短時間で相手の善し悪しなどわかるワケなかろう。
皆、出会って2〜3時間で「気に入った」だの「好きになった」だの言うが、熟考もせずそんなことを言う相手を信用しろというのが理解できん。
恋愛っていうのはだな、もっと、こう、時間をかけて相手を・・・

「酒井、そろそろ行くぞ。」

そういう説明を幾度となくしてきたが、この村上という男は俺の話を最後まで聞こうとしない。
俺が合コン嫌いを知っていながら、今朝いきなり「お前も頭数に入ってるからな。」、とこうだ。
こういう時だけやたら先輩風を吹かせ、有無を言わせない。

全く食指が進まないまま村上に連れられ、集合場所へと向かう。

「今日はあのお嬢様女子大の文学部の4人らしいぞ?」
「ふぅん・・・」

あからさまに興味がないことを示す返事をし、村上の一歩半後ろを歩く。

お嬢様だかドロンジョ様だか知らないが、結局のところ合コンするような尻軽じゃないか。
どうせあれだろう、内面(うちづら)と外面(そとづら)は全くの別物でだな、途中皆でトイレ行っては「あいつはウザい」だの「タイプじゃない」だの「今日は早く終わらせて帰ろう」だの好き勝手言うのだろう。
裏でこそこそやってないで、言いたいことがあるなら正々堂々面と向かって言ってみやがれ!
そんな女はこちらから願い下げだ、こんちくしょう!

そんなことを思いながら先方の到着を待っていると、集合時間の2分前、向こうから優雅に歩いてくる女性4人組が。

「お待たせして申し訳ありません。」

高級且つ清楚な出で立ち。
見るからにおっとりした感じではあるが、時間はきっちり守ることができる。
初対面の人間に対する口の聞き。
ナチュラルなメイク。
決して暗いワケではないが、いい意味で落ち着いている。
色で例えるなら、白。それ以外に考えられない。
見た目は・・・かなりクオリティが高い・・・
この中からひとり選ぶとしたら、などという質問は愚問だ。


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