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「あ、先生!いらっしゃいませ〜♪」

ニコニコな人がスマートな人に向かって挨拶すると、店内のトリマーが揃って「いらっしゃいませ〜♪」と挨拶する。
それにしてもさっきからこの挨拶何なの?歌?たまにリードヴォーカル変わんのかな?

「先生、ちょっと待ってくださいね?」
「いいですよ。ちょっと早く着いたんで。お構いなく。」

スマートな人はドアの横に置かれたソファに腰掛け、雑誌を手に取り、読み始めた。

ヨウイチの登場そして顔面ヒットで、サッカーはひとまずハーフタイムに突入。
ヨウイチが、俺とユタカの元へとやってきた。

『ユタカとテツヤさんって友達だったんだね。』
『うん、さっき会ったばかりなんだけどね!』

うん、一緒にサッカーできる友達、か・・・悪くないな。

『あ、そだ。』
とあることが急に気になり、ユタカに声をかける。

『ん?何?』
『お前さ、迷子犬の救助したことある?』
『ああ、カオルさんね。あるよ。なんで知ってんの?』
『・・・勘。』
『あっそ。』

若い女性客がトリミングをし終え、レジへと向かった。
それを見てユタカもレジへと駆け寄る。

『ありがと〜ございましたぁ〜☆』
ユタカはふわふわの尻尾を振り振り、女性客を見上げ満面の笑みを浮かべている。

「ユタカくん、コレあげるね。」
精算を済ませた女性客はカバンの中を探り、犬用のオモチャを差し出した。

『やったぁ!ありがとう、おねえさん!』

「あっ、いつもすいません!お気遣いなく〜!」
ニコニコな人が飛んできて、恐縮した様子で頭を下げる。

「いえ、いいんですよ〜。好きでプレゼントしてるだけなんで。」
女性客はユタカのカラダを撫で回しながら答えた。

ユタカがちょっとうらやましい・・・

女性客を担当したトリマーがドアの外まで見送りに行くと、ユタカもそれについて飛び出して行った。

『ありがとうございました〜♪  また来てね〜!』
ユタカは客の姿が見えなくなるまで尻尾を振り続けている。

『あいつ、商売慣れしてんな〜・・・』
『でしょ?でもユカタのすごいところは、それだけじゃないから。』
『え?どういう意味?』
『そのうちわかりますよ。』
『んだよそれ。もったいぶんなよ。』


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