オレが初対面で緊張している頃、ご主人様はシャンプー中。
顔に乗せられたタオルを顔面の筋肉で必死にずらし、髪を洗うストライクの腋の下をガン見している・・・。
『いろいろオモチャも用意してゴザイマスよ〜。』
ユタカとかいうヤツは、レジの横に置かれたBOXに頭(カラダごと?)を突っ込み、オモチャを漁っている。
っつーか、お前自身がオモチャみてぇだ。
『はい、どうぞ☆』
ユタカは骨型のオモチャをくわえて俺の目の前に置き、またBOXへと飛び込んで行った。
『・・・・・・』
試しに噛んでみる。
“ぷぴ〜”
『・・・・・・俺はガキか!!』
『いいぢゃ〜ん。脱力系というか癒し系というか。噛みごたえもいいっしょ?』
BOXから顔を覗かせたユタカがニコニコして言った。
噛みごたえはたしかにいいし、できればもう2〜3回ぐらい噛みたいが・・・音が恥ずかしい。
俺がこの見映えで“ぷぴ〜。ぷぴ〜。”って鳴らしてたら、おかしいだろうがよ。
『んもぅ〜。ホントは気に入ってるクセにぃ〜。素直じゃないねぇ。
え〜っと・・・ちょっと待ってよ〜。オトナっぽいヤツ、オトナっぽいヤツは、っとぉ・・・』
オトナっぽいヤツ?!
どんなオモチャなんだよ、オイ?!
『・・・あった!』
マジでか!?
は、早く見せろっ!!
『はい、コレ。』
ユタカがくわえてきたのは、
オモチャのサッカーボールだった・・・
『・・・っだぁぁぁぁ〜!普通じゃねぇか!』
『何よ何よ?なんでガッカリしてんの?いったいどんなモノ期待してたのよ?』
『・・・うっさい・・・』
『見てコレ。』
ユタカがボールを噛むと、
“ぷぴ〜”
『またその音かよ!』
『いいぢゃん!かわいいぢゃんか、ホラ!』
“ぷぴ〜。ぷぴ〜。”
『ああもうわかった!わかったから!“ぷぴぷぴ”言わせんな!』