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うぃーん、と自動ドアが開いたようだが、オレは構わずパルフェとやらにガツガツとがっついていた。

しかし何だか変なムードだ。
たまらず器から頭を上げる。

『な、ナニゴトだ・・・?』

店内にピンク色のため息が充満している。
味わったことのないムードだ。

何かの気配を感じ、ドアの方を向いた。

見るとそこには、見た目も中身もスマートそうな雰囲気の男の人と、1匹のワイヤーフォックステリアがいた。

店内のメスというメスがそいつらを見てソワソワソワソワしている。
オレが店に入った時とリアクション違いすぎるじゃねぇか・・・?!

『お、ヨウイチじゃないかぁ〜。』
ユウジがテリアの元に走っていく。

『あれ?ユウジじゃん。久しぶりだね。』
ヨウイチとかいうテリアは見た目とは予想もつかないいい声で話している。

『あ、ユウジ、そういえばさ、この前言ってたラブラドールのナンシーちゃんには告白できた?』
『い、い、いや、あ、あ、あの、そっ、それがだなぁ・・・』
『まさか、また告白できなかったとか?』
『いや、だって、あの、ほら、モノゴトにはタイミングというのがあってだなぁっ・・・』
『ユウジ、ダメだよ、ちゃんと勇気出さなきゃ。』

“しどろもどろ”ってのを絵に描くとこんな感じか?
ユウジにいつもキレが感じられない。

『あっ、そ、そんなことよりだなぁヨウイチ、こっち来てくれ。』
『何?どうしたの?』

ユウジがヨウイチを連れ、オレの元へ戻ってきた。

『こちら、テツヤさん。コーギー捕獲者。』
『え、この人もなの?』
『ちょっと待て・・・“も”って、まさか・・・』
『こちら、ヨウイチ。同じくコーギー捕獲者。』
『やっぱり・・・。』

予想どおりの展開だな・・・。

『ボクの時はね、公園に来ていたマルチーズのハルちゃんが帰る時に、彼も一緒について行ってしまって迷子になったらしいよ。
で、ボクが公園まで連れてってあげたんだけど、彼のご主人様はベンチでうたた寝してて、いなくなったことに全く気づいてなかったみたい。』

揃いも揃って底抜けだな・・・。


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