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一方、ここは砂漠の街。
その片隅で盗賊の男がカモが来るのを待ち伏せしていた。

「ぬぅをぉぉ〜〜っ!暑いっ!暑すぎじゃぁ〜〜!」
盗賊は長めの髪を振り乱しながら、雄叫びを上げた。

「ねぇ・・・こんなこと言うのもあれだけどさ、こんな暑いとこで通る人を待つっていうのは作戦的にどうなの?」
二足歩行の可愛らしい猫のマスコットのような妖怪が、盗賊の傍らで呆れるようにため息をついた。
この妖怪、どうやら盗賊のパートナーのようだ。

「いいんだっ!砂漠を旅する人間はたくさん備蓄を携えてるんだから、1回の略奪で実入りが大きいのっ!」
「あっそ。じゃあ暑い暑い言わないでくんない?ちょっと我慢しなよ。」
「ぐぁぁ〜〜っ!干からびる〜〜!」
「・・・もう好きにして・・・」

放置された故障車の陰に潜み、ぐったりと座り込んでいた男と妖怪の耳に、遠くで鳴る車のエンジン音が飛び込んできた。

「あっ!人の気配!」

その音は自分達の方へ近づいてきているようだった。

「よし!願ったり叶ったりだな!」
盗賊は物陰から頭を少し出し、双眼鏡を使って音の方を見つめた。

車は盗賊から3キロほど向こうで止まり、そこから男が3人降りてきた。
中ぐらいの背の男がカプセルを投げ、簡易の家を設置した。

「おっ!あいつら、ホイポイカプセル持ってやがる!いいカモ発見だぜイェイ!」

3人の男は家の中に入って行った。
どうやらここで野営をするようだ。

「行くぞ。」
「はいはい〜。」

盗賊がバイクにまたがり発進させると、そのすぐ脇を妖怪が自力で飛んでついて来た。


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