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車に乗ったまま海を渡り先に進むと、小さな島へと辿り着いた。
島には1軒の家が建っている。

「この島に1個あるみたいだな。カオル、降りるよ。」
「はいはい〜♪」

レーダーを使いながらふたりで家の周辺を探索していると、3個目のボールがこっちに向かって近づいてきているのがわかった。
その方角を見るが、砂浜に人の気配はない。

「海の方から来る?!」
ふたりはボールがあると思われる方向へ向き直し、身構えた。

「・・・あ!!」
カオルが指差す方向を、ヨウイチは凝視した。

誰かがスウェットスーツを着て、ボードで波に乗っているようだ。

いや、よく見るとボードではない。
手足と頭を引っ込めた状態の海亀に乗っている。

亀の甲羅に乗っかった男はふたりが立つ砂浜に戻ってきた。
男の背中にも亀の甲羅がついている。

「おぅ、亀。ご苦労さん。・・・何だテメエら。」
「あっ、え〜っと、ボール探してるんだよね〜。」
カオルは片乳状態になった胸元からボールを取り出し、男に見せた。

男はおもむろにスウェットの前のファスナーを半分ほど開けると、手を股間に突っ込でボールを取り出した。
男のボールには星がふたつ。

「これか?」
「取り出す前から薄々感付いてたけど、そんなとこに入れないでよ・・・差し出されても触る気も起きないし・・・」
「なんせ俺の“お宝”だからな。」
「上手くない。全っ然、上手くないから。」
「たまたまそこに隠してただけであって、決して自分の持ち物に自信がないワケじゃないぜ?」
「そんなこと誰も聞いてないから。」
「あ、オレもそこに入れよ〜っと!」
カオルはボールを持った手を襟から入れて、股間部分に収納した。

「決してオレの持ち物に〜・・・続き何だっけ?」
「セリフまでマネしなくていいから!」


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