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「オレんちに何の用なの?」
「あのさ、突然なんだけど、これ、ちょうだい?」

ヨウイチはテーブルの上に置かれたものを指差した。

「ダメだよ〜!それ、じいちゃんの形見なんだから。」
「お祖父さま亡くなられたの?」
「ううん、生きてるんだけどね。」
「何それ!形見って言わないじゃん。」
「んもぅ、とにかくぅ、ぜ〜〜ったいあげないからね!オレのだもん!」

少年はすかさずテーブルの上のそれを掴み、胸元に抱えて隠した。

「ちょっと待ってね。」
ヨウイチは腰に着けたポーチから、少年が隠したものとそっくりなボールを取り出した。

「はい。見てコレ。」
「え?お揃い?!」
少年は目を丸くして、自分の手に持ったボールとヨウイチのボールを見比べている。

「あれ?よく見るとちょっと違うなぁ。」

オレンジ色で同じ大きさのボールであるが、少年が持っているボールには星がひとつ、ヨウイチの持つボールには星が4つ入っている。

少年はヨウイチの手からボールを引ったくった。

「あっ!何すんだよ!」

少年は道着の襟元からふたつのボールを服の中に突っ込み、胸元に隠した。

「見て。おっぱい。」
「・・・それしたかっただけ?」
「うん。」

呆れ返るヨウイチを余所に、少年は服の上からボールを揉みしだき「へへへ〜♪」とうれしそうに笑っている。

「あ、そうだ。カレー作らなきゃ。」
少年は胸元をボールで膨らませた状態のまま外へ出て、火を起こし始めた。

「いやいやいや!返してよそれ!」
ヨウイチが慌てて少年の後を追い掛ける。

「いいじゃん、もうちょっと美乳体験させてよ〜。」
少年は美乳のまま大きな熊を火の中にひょいっと放り込んだ。

どうやらかなりの力持ちのようだ。


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