「石でできてるから寒いとかそういう知覚はないとは思うけど、君たちにこれあげるよ。売れ残りで申し訳ないんだけどね。」
ジイサンは一番端のお地蔵さんのアタマの雪をのけてやりました。
「君はお地蔵さんなのにサングラスかけてるんだ〜?変わってるね〜。」
返事もしないお地蔵さんに向かってマンツーマンで話しかけ、笠をかぶせてやりました。
1体目の笠プレを終えたジイサンは、横にずれて次のお地蔵さんの前に立ちました。
「・・・君は〜、なぜだろう、全身ツララになってるね。雨に濡れてたのかな?でも1体だけ濡れてるとか、ちょっと普通じゃあり得ないけど。」
返事もしないお地蔵さんに向かってマンツーマンで話しかけ、笠をかぶせてやりました。
2体目の笠プレを終えたジイサンは、横にずれて次のお地蔵さんの前に立ちました。(コピペ)
「・・・君は寒がり?首に猫巻きつけてるお地蔵さんなんて初めて見たよ。」
返事もしないお地蔵さんに向かってマンツーマンで話しかけ、笠をかぶせてやりました。
3体目の笠プレを終えたジイサンは、横にずれて次のお地蔵さんの前に立ちました。(コピペアゲイン)
そこでジイサン、はたと気づきました。
ジイサンが作った笠は3つ。お地蔵さんの数は4つ。
確実にひとつ足りないのです。
「計算合わない・・・簡単な計算なのに、最初に気づかないとかあり得ない・・・俺としたことが・・・」
ジイサンはヘンなところでひどく落ち込みました。
そしてしばし考えたのち、おもむろにお供え物であるメロンを取り上げ、発泡スチロール製のネットをはずして、それを最後のお地蔵さんのアタマにかぶせました。
ネットの目から、お地蔵さんのツンツン立った石造の髪の毛が覗いています。
「ごめんね、数足りなかったからこれで我慢してね。」
ジイサンは深々と最後のお地蔵さんにアタマを下げて、再び帰途に着きました。