「かぱぁ〜☆」という鳴き声とともに、うれしそうにキュウリをかじるユタタン。
小型犬ほどの大きさの“赤ちゃんカッパ”は、なかなかどうしてかわいいものである。
基本は4足歩行だが、2足歩行もできるんだぁぜぃぇぃぇぃぇ〜ぃ♪(大友康平風)
「え〜っと・・・あと、飼うべきために必要な注意事項は、と。」
『カッパは相撲が好きですが、取りすぎると、将来飼い主を投げ飛ばすことがあります。注意しましょう。』
「ふむ、なるほどなぁ。甘やかして相撲を取りすぎると強くなりすぎるのだな。気をつけないとな。」
「かぁ〜♪」
キュウリ1本すっかり食べ終えたユタタン。
またサッカーボールを抱えて満足気に転がっている。
「ユタタン、散歩するか、散歩。」
「・・・かぁ〜?」
とは言ったものの、今まで飼ったことあるのは猫だけだから、家にリードがない。
「しまった・・・ユタタン買う時に一緒に買えばよかったな・・・」
「かぁ〜?」
「仕方ない。買いに行くか。」
「かぁ〜!」
ユタタンを小脇に抱えて、ペットショップに逆戻りだ。
「すいませ〜ん。」
「は〜い・・・あ、先ほどのお客様。いらっしゃいませ。どうされました?」
さっき応対してくれた店員が姿を現した。
胸元に『北山』と書かれた名札をつけている。
「あの〜、俺〜、カッパ飼うの初めてなんすよね〜。だからリードとか、持ってないものが多くって。」
「まかせてください。私もカッパ飼ってるんで。・・・お〜い。」
店員が呼ぶと、店の奥からユタタンと同じくらいの大きさの赤ちゃんカッパが顔を覗かせた。
「かぁ〜?」
トコトコとこっちに向かって歩いてきたカッパを、店員が抱え上げる。
「ウチのカオちゃんです。」
「はぁ・・・」
「かぁ〜♪」