「ねぇ。何でそんなことになってんの?」
金髪の男が興味深々で質問する。
「『そっち、準備万端?』
『おぅ。そりゃあもうバッチリっすよ。』
『じゃ、やろうか〜。』
『おぅ。』
『せ〜のっ!』
『うわぁぁっ!!』
・・・っとまぁそんな感じで、母さん作り出そうとしたらね、失敗しちゃってね〜。ほら、見てコレ。オレ左脚なくなっちゃってねぇ。
こいつなんかねぇ、カラダ全部消えそうになったから、オレの右腕でなんとか魂だけ作ったんだよね〜。」
「軽っ!重い話なのに軽っ!」
「ん〜・・・わかったような、わかんないような・・・」
「ふぅん。なかなかおもしろいな、チビ。どうだ、“国家錬金術師”の試験受けてみないか?」
「こっかれんきんじつし〜?!」
「ひらがな丸出しだし、言えてないし。」
ヨウイチが小さな声でつっこんだ。
「今、流行りの“士(さむらい)商法”じゃないですよね?『資格取りませんか?』とか言って法外なお金を巻き上げる悪徳商法・・・」
「ち〜が〜い〜ま〜す〜っ!ウチの試験はちゃんと信用の置けるモノです!ユーキャンでも講座あるし!」
疑るユウジに金髪の男が力説した。
「それ、今受けれるの?」
「うん。試験料は1万2千円ね。」
「高っ!」
「国家資格なんだから高いに決まってるでしょ〜?!」
「1万2千円あったらメーテルとうまいもん食いに行けるのに・・・」
カオルは試験料の高さに二の足を踏んだ。
「国家錬金術師になったら・・・賢者の石に近づけるんじゃね?情報も入りやすいだろうしな。」
「え・・・?」
「やります!」
横からユウジがカオルの代わりに返事し、カオルの背中を前へと押し出した。
「ちょちょちょっと!勝手に決めないでよ〜!」
「はい、ツベコベ言わない!賢者の石のためだと思って!はい、行った行った!」
ユウジとヨウイチがなおもカオルの背中をぐいぐい押し出す。
「・・・じゃ、やります・・・」
「おぉ〜!それでこそ漢(オトコ)だよ〜!」
ユウジとヨウイチが拍手でカオルを称えた。