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「なんだぁ〜。さっきの人、彼氏いたんじゃん。しかもふたりも〜。」
カオルが悔しそうに言った。

「いやいや、今の一連の流れから言って、そういうことじゃないっしょ!」
ユウジが激しく小さく手を横に振り、カオルの言葉を否定する。

「で?ご用件は?」
カオルとユウジでは心許(こころもと)ないと思ったのか、ヨウイチが代わって質問した。

「お前ら、落ちた橋を復旧させたそうだな。錬金術で。」
長身の男が3人に質問する。

「うん。そうだよ。」
「3人で?」
今度は金髪の男が尋ねてきた。

「う〜んと、今回は、オレ?」
「なんで疑問文なのさ。」
「いや、なんとなく〜。」

ゆる〜いやりとりになってきたので、長身の男がひとつ咳払いをして仕切り直した。

「その赤いコートのチビ、名前は?」
「チビって言うなよ!カオルっていうちゃんとした名前があるんだから!」

「で、その横のヒョロいのは?」
「む・・・ボクはヨウイチ。機械鎧技師。カオルの“右腕”ってとこかな?」
「おぉ〜、うまいこと言う〜。」
カオルとユウジが拍手した。

「意味わかんない。・・・あと、このおっきい人は?」
金髪の男が尋ねる。

「カオルの弟、ユウジでっす。まぁ、おっきいって言っても、中身空っぽなんすけどね〜。」
「はぁ?空っぽ?意味わかんない。」

ユウジは鎧の腹部をパカ〜っと開けた。
中は空洞、真っ暗だ。

「ホントだ・・・空っぽだ・・・」
金髪の男が表情を強張らせた。

ユウジはおもむろに腹部に手を突っ込んだ。

「だからほら、猫も飼えて便利なんすよね〜。」
そう言って子猫を1匹、器用に摘み出した。

「あ〜!そこに猫入れちゃダメって言ってるだろ〜!」
カオルがユウジに向かって怒鳴ったが、イマイチ迫力に欠けた。


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