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落ち込むカオルに、兄弟の幼なじみであるヨウイチが手を差し伸べた。

『ボクがカオルのために義手と義足を作ってあげるよ。』
『ホントぉ?!やったぁ!かっこいいの作ってね☆』

ヨウイチは機械おたく(メカヲタ)であった。
機械鎧(オートメイル)の立派な義手と義足を作って、カオルにプレゼントした。

『おぉ〜!本物の手と脚みたい〜!UFOキャッチャーみたいな手だったらどうしようかと思ってたんだよ〜!』
『機械として原始的すぎやしないか?その発想・・・』

はしゃぐカオルにユウジが呆れたように呟いた。

 

ヨウイチの作った機械鎧のおかげでカオルは何不自由なく過ごした。
が、カオルは、川岸をジョギング中に飛び石で足を滑らせ川に転落し犬に追っかけられたりなどして、機械鎧をしょっちゅう壊してしまっていた。

「カオル・・・これ作んのに一体何日費やしたと思ってるワケ・・・?」
何度も何度も壊しては、ヨウイチに懇々と説教された。

「あは・・・まさかなぁ、犬があんなにアグレッシブだとは〜・・・」
ヨウイチに叱られるたび、カオルはヘラヘラと笑いながら許しを乞うのであった。

それがますますヨウイチの神経を逆撫でしてしまい、ユウジまで一緒になって頭を下げることもしばしばだった。


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