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「は・・・よかった・・・オレ、ここで水着に着替えさせられたら一生のトラウマになるとこだったよ〜・・・」
「まぁ、あれだ。普通に錬成するだけの試験なんてつまんねぇだろ?」
「つまんなくていいよ!試験なんだからさぁ!」
「じゃあ合格ってことで、彼に『ふたつ名』をつけないといけないね〜。何にする?」
ユタカがテツヤに話を振った。

「ふたつ名?」
「なんつ〜んだ?称号みたいなもんだ。俺は『焔の錬金術師』と呼ばれている。」
「あぁ!キャッチコピーみたいなもんね!『孤高の天才、田村潔司』『フライング・ダッチマン、レミー・ボンヤスキー』みたいなもんだね!」
「あぁ、そんな感じそんな感じ・・・」
ユタカはいかにも“ど〜でもい〜”といった様子で適当にうんうんと頷いた。

「あ、いつも赤いコート着てるから、『赤い彗星』ってのは?」
「彗星って何!?最後に『錬金術師』がつかないとダメだよ!」
ユウジの案はユタカにより、即、却下された。

「他にこいつの特徴みたいなの、ねぇのか?」
「カレー。」
「カレーの錬金術師。」
「むむむ。全然うれしくないよ〜。」
「天然。」
「天然錬金術師。」
「天然記念物みたいじゃん!」
「ちっこい。」
「ちびっこ錬金術師。」
「フザケルナ!」
「高音。」
「ハイノートヒッター錬金術師。」
「だからさぁ〜・・・」
「いっそのこと全部くっつけちゃえば?」
「天然ミニマム声高カレーの錬金術師。」
「長っ!覚えにくいじゃん!」
「忘れっぽい。」
「忘れんぼ錬金術師。」
「おぉ!それいいじゃん!」
「えぇぇぇぇっ!?」

4人から拍手が巻き起こる。

「満場一致〜!決定〜!」
「ドリカムの『わすれものばんちょう』みたいでヤダ〜!!」
カオルの高い声が館内に響き渡った。


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