ところで、この安岡屋の店主。
店の前に自らが架けた橋に「このはし わたるべからず」という看板を立てていた。
店主曰く、「だってこの橋、ウチの店の搬入用だもの。お客様に渡ってもらうために作ったんじゃないし〜。」とのことだが、客引きのパフォーマンスの一貫であることは間違いない。
少年は店を出てその橋を鼻歌交じりに渡り始めた。
「あ!」「あの子、橋渡ってるやないの!」
店の前にいた人々のどよめきに気づいた店主が店から飛び出してきた。
「あぁ〜っ!君、何やってんだよもぅ〜!」
店主の声に少年は立ち止まり、振り返った。
「お兄さんどうしたの?」
「橋の手前に看板あったでしょ?!この橋、業務用だから渡っちゃダメなの!」
店主がプンスカ怒っている横で、少年が言った言葉は・・・
「え?看板なんてあったっけ?・・・見てなかったよ〜。えへへっ。」
店主も家来も周りにいた野次馬も、吉本新喜劇のように一斉にズコ〜っとコケた。
「・・・とまぁ、こういうことがありましたよ、ということで。以上、報告終わり。」
家来が将軍に今日の少年の様子を報告した。
将軍は話を聞いて、玉座の上で崩れるように大爆笑している。
「おもしろいじゃん、その子。ここ連れてきてよ。」
「はぁっ?!」
「じゃ、そういうことで。頼んだよ。」
「頼んだよって・・・んもぅ!連れてくりゃいいんでしょ!連れてくりゃ!」