みんなぞろぞろ席を立つ。
「さてと。食後のデザートに、オネーチャンとこ行って、エッチしたついでに血飲んでくるわ〜。」
てっちゃんって人(?)は、窓を開け、マントをヒラリとひるがえすと、コウモリに変身して飛んで行ってしまった。
窓の外はすっかり暗くなっていた。
空には大きな満月が・・・
「あぉ〜〜ん!」
あれ?なんか吠えましたよ?
「あ、黒ポン変身しちゃった。」
え・・・まさかあの人も・・・“人”じゃなかったの?
見ると、茶色いフサフサの耳としっぽが生えている。
「え・・・犬?」
「ぎゃはは!黒ポン、“犬”って言われてるよ!」
「がるるるる〜!」
ひぇ〜!目がケモノの目になってる〜!光ってる〜!
「がるぅ〜!」
黒ポンって人(?)がボクに飛びかかってきた!
がぶ〜〜〜!
「痛い痛い!痛いってば〜!」
黒ポンって人(?)に腕をガブガブかじられている!
「ちょっと!アンタたち!見てないで早く助けてよ!」
「大丈夫大丈夫。本人はジャレてるだけだから。寂しがり屋のロンリーウルフだから、相手してやってね。」
「大丈夫じゃないよ!甘噛みでも痛いんだっつ〜の!」
「いやぁ、今日のお客さんにはよくなついてるなぁ!『♪つ〜よく〜、マークしてぇぇ〜』だな!はっはっは!」
雄二って人(?)が豪快に笑っている。
「笑いごとじゃな〜い!」
ボクの腕は黒ポンって人(?)に甘噛みされっぱなし。