「ちょっとチクッとしますよ〜」
慣れた口調だな〜。
ちくっ。
ホントだ、ちょっとちくっとした。
「君、名前は?」
男の子がボクに聞いてくる。
「ユタカだよ。」
「ユタカか。僕たち、友達になれそうだよね。」
「ええ・・・まぁ・・・」
返事に困る・・・
「ごはんできたよ〜!」
あ!新たなキャラ出現!
だけど普通の男の人だな。
コックさんみたいな白い服を着ている。
「あ、君も黒ポンの料理食べていく?献血後にオレンジジュースもらうような感覚で食べていってよ。」
男の子から食事の誘い。
どことなく不安で思わず顔が引きつってしまう・・・。
「大丈夫。料理の腕だけはピカイチだから。」
「“だけは”ってなんだよ〜!」
“黒ポン”って人、怒ってるけど迫力な〜い!
「ん、君も食べるの?どうぞどうぞ〜。召し上がれ〜。」
黒ポンって人、いきなりボクの腕に刺さってる針をスポ〜って抜いた!
輸血の真っ最中だったのに〜!
「あっ、黒ポン!まだ10%ぐらい残ってるのに!」
「いいじゃん、ちょっとぐらい〜。料理冷めたらまずくなるよ?」
「ごめんねユタカ、すぐ消毒するから!」
男の子もさすがにタジタジといったようす。
ボクの腕にアルコール綿を当てテープで止めた。