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「あ、てっちゃん。お客さんの血勝手に吸っちゃダメっていつも言ってるでしょ?」

もうひとりだれか来たみたい。
ボクと同じ年ぐらいの男の子みたいだけど、ものすごく落ち着いたふんいき。

「据え膳食わぬは男の恥だろうが。」
「そういう問題じゃないから。・・・ごめんね、看病するからね。立てる?」
「む、むりですぅ〜・・・」
「僕あんまり力ないしなぁ。てっちゃん、ベッドまで運んであげてよ。」
「え〜、食後に急に運動したら横っ腹痛くなるからイヤ。」
“てっちゃん”と呼ばれている人(?)が爪楊枝でシーシーしながらそっぽを向いた。

「人間の血液は繊維質じゃないから歯には詰まらないと思うけど。」
「歯間が赤く筋みたいになるのがヤなんだよ!歯グキから血が出てるみたいだろ?歯槽膿漏だと思われるのヤじゃん。
男の身だしなみってやつだよ。」
「シーシーしてる方が女の子に嫌がられるよ?」
「え!マジかよ!」
「例えばさりげなく飲み物を飲むとかね。」
「さすが愛のマジシャン!ガキだけど。」

「・・・すいません・・・早く寝かせてください・・・」
この人たち、ボクの存在すっかり忘れちゃってるし・・・。

「あ、ごめんね、すぐ運んであげるから。・・・雄二〜。」

遠くから近づいてくる足音。

・・・ん?足音に交じって機械音みたいなのが聞こえる。

うぃ〜ん、がしゃん。
うぃ〜ん、がしゃん。
うぃ〜ん、がしゃん。

今度はなんなんだよ〜!?


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