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「やっほ!」
またしても男の子の前にトラが・・・。

「うわっ、またでた!・・・っていうか、ちっさ!」
「なんだよ〜!きみだってちっこいだろ〜?!」

現れたのは、男の子と身長も年の頃も一緒ぐらいの子トラだったのです。

「がぅを〜!かんじゃうぞ!」
「たべるんじゃないんだ!?」
「がぶ!」

子トラは、隙を見て本当に男の子のスネに噛みつきました。
小さいとはいえ、子トラは男の子とは違ってなかなか俊敏でした。

「いだだだだ〜!!!はなしてよ〜!」
「がぶがぶ!じゃあなんかちょうだい!がぶがぶ!」
「けどもうあげるものないし!」
「がぶ!そのくろシャツでいいよ、まけといてあげる!がぶ!」
「いででででで!わかった!あげるから!」

男の子は子トラに噛まれたまま、黒いシャツを脱ぎ捨てました。

「やった!くろシャツ、ゲットだぜ〜!」
子トラは噛むのをやめ、黒シャツを着ました。

「サイズもばっちりだよ!ありがとう!」
子トラはパンツ一丁の男の子に握手をしました。

男の子は泣きながら歯形だらけのスネをさすっています。

「んじゃあね!」

子トラは「♪サヨナラ〜じゃな〜くて〜ぇ、God bless you〜ぅ」と歌いながら、満面の笑みを浮かべ去っていきました。

身包み剥がされてパンツ一丁になってしまった男の子は、泣きながら家に向かって歩き出しました。


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