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さて、広大な麦畑の中をのんびりと進む御一行。
黄金色に輝く麦の穂が、ざわわ、ざわわ、ざわわ〜と風に揺れています。(それサトウキビ!)
王様はその様子を車窓から眺めていました。

「すごいなぁ〜。」

王様はスイッチを押してパワーウィンドウを開け、農作業をする第一村人に声をかけます。

「今何をしていらっしゃるんですかぁ?」
「見りゃあわかっぺよ、おめぇ〜。野良仕事しよるが。」

第一村人は、いかにもテレビ的な訛りで答えました。

「それはそれは、ご苦労さまです。立派な麦畑ですけど、この辺りはどこの領地になるんですかぁ〜?」
「この辺は、アレだよおめぇ〜、ゴス侯爵様の領地になるだぁよ。」

王様は行く先々の畑や牧場で同じ質問をしましたが、返ってくる答えはすべて同じものでした。

「すごいなぁ、ゴス侯爵。恐るべしだなぁ。」

王様がゴス侯爵(正体:三男)のすごさに驚いていた、ちょうどその頃、猫はこっそり一行から離れてオーガが住む城へとひとっ走り。
オーガにサツアイかましに行きました。

「はじめまして、オーガ様。」
「ん?なんだおめぇは?」
「オーガ様の評判はかねがね伺っております。オトコマエでスタイルがよくて、頭脳明晰で運動神経バツグンで、ファッションセンスもあって、すばらしいお方だと・・・。」

猫が美辞麗句を並べて褒めちぎるとオーガはまんざらでもない様子で、その恐ろしい顔に笑みを浮かべました。
どうやらオーガはヨイショに弱いようです。


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