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「長靴と布袋・・・?いったい何に使うんだ?」
「ま、ま。黙って渡してくれたらいいから。」
「・・・ほいよ。」
「ありがとう。」

猫は長靴を履いて布袋を手に取ると「じゃ、行ってくる。」と三男に言い残し、素早い動きで野原へと駆け出していきました。
長靴を履いていますから、どんな岩場でもイバラの森でもCHA-LA HEAD-CHA-LAです。

猫は持ち前の運動神経を駆使し野ウサギを捕えて布袋に入れ、この国の王が住む城へと向かいました。

王様は目を擦って、大きなアクビをひとつかましながら御前に猫を招き入れました。
どうやら昨夜はすっかり深酒をしてしまったらしく、それが祟ってか睡眠不足な様子です。

「王様、お初にお目にかかります。わたくし、ゴス侯爵に使える者でございます。」

猫は、今しがたテキトーに考えた『ゴス侯爵』なるキャラの使者だと名乗りました。

「ふぅん。で、僕に何の用?」
「こちら、ゴス侯爵から王様への贈り物です。どうぞお受け取りくださいませ。」

猫は、ゲットした野ウサギを王様へ献上しました。

野ウサギは、フレンチではジビエとして重宝される最高食材。
ピーターラビットをキューピーマヨネーズで食っ(やめなさい!)
そんなこんなで、めったと口にできない高級食材をもらった王様はたいそう喜びました。

「うわぁ、ありがとう。酒の肴にするよ〜。侯爵にも『ありがとう』って言っといてね〜。」

野ウサギを献上し終えた猫は、三男の元へ戻りました。


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