『「ピザ・ニャット」のフチにウインナーが包み込んであるピザ、たった今到着したぜ〜!ん〜っ、うまそうなニホヒ!』
てつやが相変わらずのハイテンションで報告する。
そして早速口をつけた。
『あ〜!アツアツ・トロっトロにチーズが溶けたピザ、んめぇ〜!』
この発言どおり、「ビザ・ニャット」のピザは絶品なのだが、てつやは食べ過ぎて動きが鈍くなってはいけないと、2切れほど食べたところで手を止めた。
『こんなに余っちまったよ。うまいけど食い切れねぇ〜!』
『ぐぁ〜っ!何だよあいつ!少しぐらい分けてくれてもいいのにさぁ!』
今度はカオルが腹を押さえてゴロゴロと床を転げまくった。
『そんなに食べたいんなら分けてもらいに行けば〜?今行ったらアンタが食べられるだろうけど〜?』
さっきのお返しとばかりにユタカがそっぽを向いたまま呟いた。
『むむぅ・・・憎たらし〜ぃ・・・』
カオルは仰向けの状態から壁の方へ寝返りを打ち、小さく丸まった。
『それにしても・・・ハラ減ったな〜・・・』
『俺も〜・・・』
『食べたいなぁ〜』
『ぅあ〜・・・食べたぁい・・・』
2匹のネズミの空腹は限界にまで達していた。
その様子をてつやは2匹の嘆きを穴のそばで耳をそばだてて聞いていた。
(へっへっ・・・いい感じいい感じ・・・)
てつやはカレーとウニをそれぞれ小鉢に盛り付けし始めた。
(今日はパーティだぜぇ〜!)
『あ・・・カレーだ・・・』
『ウニ〜・・・』
カオルとユタカはまるで取り憑かれたように、鼻をクンクンさせながら穴の外へと向かっていく。
カオルはまだしも(?!)、前回 同様のパターンの罠を簡単に見破っていたユタカも、極限の空腹により今回ばかりはてつやの術中にハマってしまっていた。
2匹同時に穴から出たところをてつやにまんまと捕らえられてしまった。