『いや、あの〜、さ。そんなわかりやすい罠にかかるのやめてくんない?』
『カレーが罠なワケがないよ〜』
『アンタ、ゴレンジャー見てなかったの?キレンジャー、カレーの罠に引っ掛かってやられちゃってたじゃん!』
『ダイジョウブ(低音)。』
『・・・ホント、モノマネ好きだね・・・もう知らないよ?俺、1回止めたからね?』
カオルはくんくんくん・・・とパンに近づいて行く。
『わ〜ぃ!何これ!カレートースト?カレーの新しい食べ方を提案してくれてるのかな?・・・いただきま〜!』
口を大きく開いて食べようとした時、てつやがカオルの背後に近づき、カオルの背中を指で弾いた。
『うわぁぁっ!』
カオルは食パンの上にベチャッという音を立てて倒れ込む。
そこをてつやがもう1枚の食パンですかさず蓋をする。
『ぃよぉ〜っし!ちょろいもんだぜ!“ぽんカレーサンド”の完成〜♪』
大きな舌なめずりをして、ガブリと噛み付いた。
しかしただのカレーサンドイッチの味。
『あれ?・・・あっ!』
てつやがパンから視線を下に下げると、カオルがカレーまみれで、下からてつやを見上げていた。
『説明しよう。カオルはパンに塗られたカレーを夢中で食べている間に下のパンを突き破って落ちていたのだった!』
『なんだその説明くさいセリフは!今度は逃がさねぇぞ。どこに隠れてもそのカレー臭さは隠せねぇだろ。』
『はっ!しまった!』
『お前芝居が古いんだよ!』
『しかぁ〜し!カレーを食べたカオルはパワーアップしていたのであった!
♪ポパイ・ザ・セーラーマ〜ン。ぽっぽ〜』
そう言ってカオルは耳をピクピクさせた。
『それはポパイじゃなくて“トミーとマツ”のトミ子だろうがっ!』
『あっ、そうだっけ。オ〜!ミステイ〜ク!』