一方その頃てつやとユタカは・・・
ベッドの上で壮絶なバトルを繰り広げていた。
シーツの下に潜り込み逃げるユタカを、てつやがシーツの上から仕留めにかかる。
シーツのかすかに膨らんだ部分にザクザク爪を立てる。
『ここか!こっちか!』
タッチの差でヒョイヒョイと逃げるユタカ。
『こっちだよ!』
もぐらたたきにシーツは穴だらけ。
たくさん穴が開いたことで、徐々にユタカの居場所が見えるようになってきた。
『お〜いカオル!いつまで休んでんのよ!今度はアンタが俺を助ける番でしょ!』
『へっへっ。覚悟しな。』
てつやがにやりと笑って鋭い爪を振り上げた。
『ベアークロー!(ウォーズマンの武器)』
その時。
『♪うぁ〜〜〜っっ!』
てつやの耳元でカオルが高音シャウト。
『ぐあぁぁっ!耳痛ぇ〜!キーンって鳴ってる〜!』
てつやが耳を押さえ、のたうち回っている隙に、ユタカはシーツの穴から脱出した。
『ちょっとぉ・・・俺も近くにいるんだからもう少し手加減してよぅ。俺の耳も若干ぐゎんぐゎん鳴ってるじゃんか〜。』
『あはっ!メンゴメンゴ。』
『俺のんパクんないでよ〜!』
『メンゴメンゴ!』
『いや、だぁ〜かぁ〜らぁ〜!やめてくんない?人のネタパクんの。』
『メンゴメンゴ。』
そんなエンドレスなやりとりをしてる間に、てつやはキッチンで何やら準備中。
食パンにカレーを塗ってそっと床に置き、物陰に隠れた。
『くんくん・・・あ!カレーの匂いだ〜♪』
カオルはエンドレスなやりとりをジ・エンドにし、くんくんしながら鼻を前に突き出すようにして歩いてゆく。