第2会場では、北風が大暴れしておりました。
「お、あんなところに女装の男が歩いてるじゃないか。よ〜し、吹き飛ばしてしまえ〜!」
北風が自慢の肺活量を活かしブォ〜ッと風を起こしますと、女装趣味の旅人のヅラがおもしろいように風に乗って飛んでいきました。
「あっはっは!愉快痛快怪物くんだな。・・・お、あんなところにマリリン・モンローが。よ〜し、俺がそのスカートを・・・」
「・・・さっきから何やってんの?」
「おぁっ?!」
イタズラするのに必死だった北風は、背後に佇む者の存在に全く気づきませんでした。
「お、おぉ、太陽じゃないか。ひ、久しぶりだな・・・。」
「相変わらず挙動不審だね。」
「き、キサマ、『相変わらず』とは何だ!『相変わらず』とは!!」
「挙動不審の方は否定しないんだね。」
「揚げ足を取るんじゃない!」
顔を真っ赤にして怒鳴る北風を見て、太陽はクスクスと笑っています。
・・・そろそろ笑い止んでもいい頃だと思うんですけどね・・・
「その力をさ、もっと有意義に使えばいいのに。例えば風力発電に行かせばCO2削減にもつながるし・・・」
「ワタシにはそういう難しいことはよくわかりませんが・・・(林家こん平のマネ)
っていいの!俺は楽しければそれでいいの!もう、ほっといてくれぃ。」
「じゃあさ、俺と勝負して俺に負けたら、その肺活量、風力発電に活かしてね。」
「おぅ、お安い御用だ!俺がお前に負けるワケがないだろうがっ!」
というワケで、こちらでもオトコの勝負が勃発しました。
もぅ!みんな負けず嫌いなんだから!あなたたちのそういうとこが好きなのよ!(ナニサマだよ!)
「あっ、あそこに旅人がいる。あの旅人のマントを脱がせた方が勝ち。どう?」
「ははっ、そんなんでいいのか?そんなの、俺が勝ったも同然だな。」
北風と太陽の間でそんなやりとりがあったとはつゆ知らず、ターゲットの旅人はきょろきょろしながら歩いています。
「この辺でうまいシャンパンが飲める店ってないのかな〜?」
マントを羽織っている旅人のその姿は、さながら「母をたずねて三千里」のマルコ・ロッシのようです。
「誰がマルコだよ!人を子どもみたいに言うな!」
旅人はナレーションに向かって激しくつっこみます。
何という地獄耳・・・恐ろしや〜。アナスタシア〜。(謎)
「・・・あいつ大丈夫か?誰に向かって文句言ってるんだ?アル中か?」
「ダイジョウブ。・・・先攻・後攻どっち行く?」
「よっし!俺が行く!一瞬で勝負つけてやるからな!」