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4匹はまっすぐま〜っすぐ歩いていきましたが、それでも東京にはまだまだ到達しそうにはありません。
ヘトヘトになった一行、さすがに直進行軍も飽きてきました。

「あぁ〜、だりぃ〜っ!誰かisis(アイシス)持ってきてくれ〜!」
「♪この〜ぉ坂〜を〜の〜ぼぉ〜ったら〜」
「俺、クルマより小雪がいいな。」
「あ、俺も俺も!」
「じゃ、俺、ハイボールでいいや。」

このようにトークもグダクダでした。

「・・・ってかさ、もう日も暮れてきたし、ちょっとどっかで休憩しない?」

猫がクワ〜ッと伸びをしました。
直進行軍の最中でしたので誰も気にも止めていませんでしたが、辺りはすっかり真っ暗でした。

「って、こんな森の中に休憩できるとこあるの?」
「普通、高速のインターのそばとかじゃないの〜?」
「そっちの『休憩』じゃねぇよ!!」

やはり、トークにキレはありません。

「・・・あ。」
この中で一番背の高いロバが何かに気づき呟きます。

「ん?どうした?」
「あっちに明かりがあるみたいだけど。」
「マジで?!」

ロバが指し示す方向を目を凝らして見てみると、森のド真ん中、ポツンと光る明かりが見えました。

「ホントだ〜!」
「よし、行こう行こう!」

あれだけ執着していた直進行軍のことはすっかり忘れ、思わずスキップしそうなほどに4匹の足取りは軽いものでした。

近づくにつれて光の正体が明らかとなります。
それは森の中にひっそりと建つ小屋の窓でした。

「よっしゃ!あそこで頼んで一晩泊めてもらおうぜ!」
「やった〜!!」

ドアに向かって走り出そうとした犬・猫・ニワトリをロバが制します。

「待って。」
「え?!」
「なんでぇ〜?」
「せっかく小屋見つけたのによぉ〜!」
「だってさ、冷静に考えてごらんよ。夜遅くに動物4匹が『泊めてください』って頼んで、泊めてくれるヒトなんているかなぁ。」

ロバの冷静すぎる意見に、「オメェが『小屋ある』って言ったんだろうが!」と犬がゴモットモなツッコミを入れます。


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