『そんなことよりさ、早く一緒に旅出る人決めてくんない?』
「は・・・?決めるってどうやってよ?」
『じゃあさぁ、三蔵法師っぽい人、君の近くにいない?』
「“ぽい人”?・・・しいて言えば北山サンとかぁ・・・」
と俺が言ったと同時に、三蔵法師のコスプレ・・・いや、格好をした先生が目の前に現れた!!
「うわっ、何?ここどこなの?っていうかヤス、何そのコスプレ・・・」
「いやいやいや!俺もわかんないのよ!というか、自分の格好も見てみなよ!」
「な!?何この格好!?」
『で?猪八戒は?』
俺たちの動揺をよそにお釈迦様は平然と聞いてくる。
「え〜・・・・・・」
悩んだ挙げ句、コスプレ見たさに俺は名前を挙げた。
「ごめんっ!黒ポンっ!」
と言った途端、俺の目の前に黒ポンが猪八戒の格好で現れた。
黒ポンに・・・ブタの耳と鼻がついてる〜!!
「うぁ?北山、安岡、お前らふたり揃って何やってんの?」
何事もなく普通に話し掛けてくる黒ポン。
俺たちふたり、転げるように大爆笑!
「なぁ、何そんなに笑ってんだよ〜?そんな変な格好しちゃってさぁ〜。」
「ぎゃははっ!黒ポンっ、自分の頭と鼻触ってみてよ!」
「ん?」
言われたとおり頭、鼻の順で触っている。
「へ?」
「そういうこと。」
「安岡が孫悟空の格好で〜、北山が三蔵法師の格好で〜・・・・・・え〜〜!!」
「そゆこと。」
「え〜〜〜!!!俺なんでこんなんなってんの?!俺帰る!」
『残念ながら帰れないからね〜。で、沙悟浄は?』
「これさ、俺言ってみていい?」
三蔵法師姿の先生が俺に聞いてくる。
「あ、うん。いいよ。」
「じゃあ・・・・・・雄二で。」
って言った途端に、案の定酒井さんが・・・
やっぱり頭がカッパの皿になってる〜!!
これまた一同大爆笑!
黒ポンも自分の格好を棚に上げて、腹を抱えてヒーヒー笑っている。
「アンタら、なんちゅう格好してんすか!!特に黒沢さん、その特殊メイクすっげぇ!よくできてんなぁ!」
酒井さんが黒ポンの耳を引っ張る。
「痛っ!なんだよ〜っ!離せよ、もぅっ!」
「・・・へ?」
「酒井さぁん、自分の頭のてっぺん触ってみてよ!」
「あ?こうか?・・・・・・は・・・ハゲてる?!」
ガックシと膝をつき、顔面蒼白・・・。
「ううん、ハゲてないハゲてない。」
黒ポン・・・ちゃんと説明してやりなよ・・・
「俺ら3人の格好見て、わからない?」
俺たち3人を順番に指差し確認した後、頭をもう一度触って自身の着衣を見回す。
「え〜!!俺、沙悟浄になってんのか!?」
「ピンポン!大正解!なかなかいい感じだよ!」
俺は素直に感想を伝えた。
「よくないっ!」
頭のお皿から湯気が出ちゃうんじゃないかってぐらいの勢いで吼えまくっている。