『待て〜ぃ!』
「あっ!この声はっ!!」
ジングルが流れて、酒井・・・いや、アトラス・レッドが舞台に飛び出してきた。
『炎のように熱い闘志!アトラ〜ス・レ〜ッド!』
思わぬ人気キャラの登場に、観客も大盛り上がり。
『闇を操り悪を斬る!アトラ〜ス・ブラ〜ック!』
『光を纏い、正義を貫く!アトラ〜ス・ホワイトぉっ!』
北山と安岡・・・ブラックとホワイトも颯爽と舞台へ。
『地球に平和を!激闘戦隊、アトラスっ!!』
3人でのポーズも、バッチリとキマった。
(やったぁ!アトラスが来てくれたよ〜!)
俺、あらっ太くんは、アトラスの登場にピョンピョンと飛び跳ねてカラダいっぱい喜びを表現する。
『お前らの思うようにはさせないぞ!』
『むむっ、何をコシャクな!お前たち、アトラスを倒せ〜!』
『ジ〜!』『ジ〜!』『ジ〜!』
デスウルフの号令に戦闘員が舞台に上がってきた。
「きゃぁ〜っ!!が、頑張って!激闘戦隊アトラスっ!!」
逃げ惑う司会者とあらっ太くん。
アトラスは、斧を振り回す戦闘員をバッタバッタとやっつけていく。
『何をモタモタしている?!早くやっつけんか!』
戦闘員のひとりが俺に向かって斧を振り下ろす。
(ひぃ〜〜〜っ!!!)
アタマを抱えてクルッと背を向けると、俺の大きなシッポが敵のハラに直撃。
戦闘員は『ジ〜!』と叫んでその場に倒れた。
笑いとともに大きな拍手。
俺は、何が起こったかわからないといった様子で首を傾げ、グッタリと倒れた戦闘員を指でツンツンとつつく。
さらに笑い声が上がる。
「あっ!あらっ太くん、後ろっ!!」
(ん〜?何〜?)
目の上に片手をかざして何かと振り向く、そのヒジが背後にいた戦闘員の顔に偶然ヒット。
(あっ、ごめん!・・・あ、違う!ボク、敵を倒してたよ!やったぁ!)
ビックリした後、ようやく現状を理解したとばかりに両手を上げてバンザイのポーズ。
俺がコミカルな動きで戦闘員をふたりやっつけた頃には、アトラスの3人もたくさんの敵を倒し終わっていた。