話の流れを止めた張本人である安岡は我意に関せずといった様子で、
「さて・・・ひなあられ食べよっと。」
と言い、ひなあられが置かれた皿に手を伸ばす。
他の4人もつられるように手を伸ばした。
が。
「・・・待ぁてぇ〜いっ!!」
酒井が叫んだ。
「・・・何だよ酒井〜?ノリダーが到着した時のような雄叫び上げちゃって。ビックリするじゃん。」
「どぅえ〜ぃっ!」
「完璧ノリダーじゃん。」
「柏田?」
「わはは!またわかりにくいとこにいったな!」
「いや、みんな、そんなんはいいから。雄二、説明説明。」
脱線する4人の話を建て直そうと、北山が仕切り直す。
「うしゃ、わかった。・・・じゃあ全員手にしたひなあられを一度皿に戻せ〜ぃ。」
「え〜、何で?!」
「いいから言うとおりにしろぃ!」
酒井の指示に「何だよ」とか「意味わかんない」とか呟きながら、手にしていたあられを皿に置いた。
「君たちが掴んでたあられは何味だ。端から順に聞いていこうではないか。」
「チョコだよ。」
「チョコだけど?」
「俺もチョコ。」
「チョコ味。」
4人が答え終わったところで、酒井が皿を指差す。
「よく見ろ!チョコ4つしかないじゃないか!お前らばっかりチョコ取りやがって!ズルいだろ!」
「んなもん早い者勝ちだろ?」
村上がめんどくさそうに答える。