車は、この街の一番大きい駅へと向かって走ってゆく。
それにしても・・・今日の俺は何だ?
ゲームの世界に入り込んだのなら、夢があっていいってもんだ。
ところがどっこい、日常がゲームと化しているのだ。
ゲームのやりすぎで、ついに脳が蝕まれてしまったのだろうか。
それにこいつら4人の格好が、またこれ・・・
幻覚にしても、もちっとマシなものはないのか。
上半身裸でグラサンて・・・
そう思った途端、視界に『そうび』の画面が展開される。
こっちの『てつや』は『サングラス』を装備していることで、目潰し攻撃が効かないということを表す『くらやみ ○』になっている。
また、視覚に訴えてくる敵の攻撃は効かない、ようだ。
「ふぅ〜ん。」
「は?」
こっちの『てつや』のステータスを見てひとり納得すると、リーダーが口半開きで聞き返してきた。
他のヤツらのも見てみるか。
えっと、こっちの『よういち』は、と。
やっぱり。『しろいけんじゃのふく』だな。
体力回復の魔法は、味方ひとりに効くものと、味方全員に効くものをちゃんと習得済み。
ステータス異常を治す魔法もあるから、安心だな。
「へぇ〜。」
「何?」
こっちの『よういち』のステータスを見てひとり納得すると、北山が眉間に皺を寄せ聞き返してきた。
ではでは『ユタカ』はどうかな?
今、防具は『かわのかぶと』と『かわのくつ』だけか。
鎧も買ってやらんとな。
あ、2回斬り習得済みじゃないか。
「ほぉ〜。」
「バカにしてんの?」
こっちの『ユタカ』のステータスを見てひとり納得すると、安岡が頬を膨らませて聞き返してきた。
最後に、『カオル』は。
『まほうのぼうし』と『まほうのマント』装備中。
魔法は火の魔法・吹雪の魔法・雷の魔法を習得済み、なのかぁ。
それにしても・・・素早さの数値、低っ!
「ぷっ!」
「何だよ!!」
こっちの『カオル』のステータスを見てひとり納得すると、黒沢さんが口をとんがらせて聞き返してきた。
「ま、みんなそこそこ戦えるんじゃない?」
ウンウンと頷きながらひとり納得すると、4人が「へ?」と同時に聞き返した。