村上、アロハシャツで短パンで上手より登場。
村上の傍らには、黒沢。
黒沢、赤いジャケット・金の蝶ネクタイ、鼻のてっぺんと頬を赤く塗り、両の口角から下にまっすぐ黒く線を描いてある。微動だにしない。
北「ま、また変なの来た・・・」
村「Ladies & Gentlemen & おとっちゃん・おっかさん &
坊ちゃん・嬢ちゃん!腹話術が始まるよ〜。」
北「坊ちゃんだけですよ?」
村「お待たせしちゃって申し訳ないねぇ〜。」
北「別に待ってませんから。」
村「なんせ、いろんなテレビやイベントに引っ張りだこだからね〜。」
北「まっっっ・・・たく見たことありません。」
村「・・・そ、そ〜ぉ?あ、あっれ〜?お、おっかしいなぁ〜?」
北「・・・・・・」
村「見たいよねぇ?今、腹話術すっごく見たいよねぇ?」
北「いいえ?」
村「・・・そんなはずはない、きっと見たいはずだよ〜?」
北「・・・はいはい、見ればいいんでしょ、見れば。」
北山、やっと村上の元(上手)へ歩み寄る。
村上、嬉々として黒沢をしっかり立たせるようにしてスタンバイ。
村「そう来なくっちゃあ!・・・では、始めま〜す。・・・はいはい、ボクはてつおじさん。で、こちらが、」
黒「(超高音)ボク、クロチャン!」
北山「・・・」
黒「(普通声)あれ・・・?声が・・・遅れて・・・聞こえて・・・くるよ?」(黒沢の声とテンポをずらすように、村上が口を動かす)
北「(半拍食い気味に)あの・・・声よりおじさんの口の方が遅いですよ?
光より音の方が伝達速度が遅いんだから、それじゃおかしいでしょ?」
北山、回れ右して下手側を向き、舞台中央まで歩き、正面を向き立ち止まる。
村上、その場に立ち尽くし、動かなくなる。
(下手溶明:これで上手も下手も陽転の状態)
北「・・・どれもこれも子供騙しばっかり。つまらないよ。」
黒沢、北山の背後に歩み寄り、北山の首の後ろを押す。北山、その場に立ち尽くし、動かなくなる。
黒「夢のない人間は、人形と同じだ。」
黒沢、北山を後ろから支えるようにして、人形のように動かなくなった北山を座らせる。
(暗転)
※たまにはブラックなネタもあっていいと思う。